2015年5月8日金曜日

今日のスペイン語(319)  風評と風評被害

 今年のゴールデンウィーク中、箱根の大涌谷で火山性地震の発生が続き、現地の観光業が風評被害に困惑しているとの報道が目立つ。この種の問題はどこの国でも起こり得るが、風評や風評被害はスペイン語で何というのだろうか。5月8日朝のNHK World Radio Japanスペイン語放送では、以下の訳を使っていた。

(スペイン語)
 El alcalde dijo que Hakone tratará de evitar la posible propagación de rumores infundados ante la preocupación de que la actividad del volcán tenga un impacto negativo en la industria turística que representa el principal sostén económico de la localidad.http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/spanish/top/news03.html

 
(日本語)
 市長は、今回の火山活動が、地元経済の大黒柱である観光産業にマイナスの影響を与えることが懸念される中で、箱根市として、根拠のない風評が広がるのを防いでいくと述べた。

 
(解説)
1 一般に「風評」は、事実か否かを問わず「噂」とか「世間の取沙汰すること」の意味で使われる。「風評被害」となると、このNHK放送のように、「根拠のない噂」のために発生する被害を意味することが多いようだ。

2 スペイン語で「風評」は、文脈により“rumor”や“reputación”(物事や人に対する評価runrún”(噂話)、 cotilleo”(単なる噂というより、良からぬ内容の陰口)あたりが典型的な訳語。明らかに害を為す目的で流される噂であればcalumnia”(中傷、誹謗)や“injuria”(悪口雑言)、根拠のないことを強調するならば、例文のように文字通り“rumores infundados”。
 したがって、根拠なき噂により生じる「風評被害」は、daños causados por rumores infundados”。

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