2014年3月24日月曜日

今日のスペイン語(4)  なぜハリウッド映画の科白か

このブログでは、いくつか有名ハリウッド映画の名文句(科白)をスペイン語でご紹介しているが、もともと「英語」の科白なのに、スペイン語版を覚えて何の役に立つの?、と疑問を頂く方のために、少々補足説明。
 
スペインでは昔から、映画館で上映されるのは殆どすべてがスペイン語吹き替え版である。だから、ハリウッド映画でも日本映画でも、スペインの人達が覚えている名科白は英語でなくスペイン語なのだ。一説によると、内戦終了後のフランコ体制下で、いわば検閲の一環として、外国映画の「不適切な」表現、特に性に関わる英語の表現を、政治的・宗教的に「適切な」スペイン語に直して上映させ、以てスペイン国民を「おかしな外国文化から守る」施策であったらしい。
 

このブログでは名科白として取り上げていないが、1982年のE.TE.T. The Extra-Territorial。スティーブン・スピルバーグ監督)が封切りされてから暫くの間、スペインの若者の間で、人差し指を伸ばして” Mi casa. Teléfono.”と言うのが大流行したことがあった。E.T.が主人公の少年エリオット達に(英語では)”E.T. Home. Phone”と訥々と喋りかけるシーンである。この頃大学生だったスペインの元若者は、すでに50歳前後だが、間違いなく覚えているだろう。”Mi casa...Teléfono.”の一言で、かつて若い頃に共通の文化体験をした連帯感を醸し出すことができるかもしれない。機会をみつけて、ぜひ使ってみましょう。

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