2015年1月20日火曜日

今日のスペイン語(258)  ホロコースト博物館での総理の発言

 1月19日、イスラエル訪問中の安倍総理大臣は、ヤド・ヴァシェム(イスラエルのホロコースト博物館)視察後にメッセージを発した。ホロコーストのような惨劇を二度と繰り返してはいけないという決意を新たにするとともに、杉原千畝さんがリトアニアでユダヤ人を救ったことも触れられている。

(日本語)
 ユダヤの人々がくぐった苦難を、全人類の遺産として残そうとする皆様の努力に、心からの敬意を抱きます。深い悲しみを乗り越え、イスラエルの建国に尽くした先人たちを前に厳かな気持ちになりました。

 特定の民族を差別し、憎悪の対象とすることが、人間をどれほど残酷なものにしてしまうのかを、学ぶことができました。昨年3月、アムステルダムにアンネ・フランクの家を訪ねましたが、本日は、決意を新たにいたしました。

 ハショア・レオラム・ロー・オッド(ホロコーストを、二度と繰り返してはならぬ)

 私たちの先人には、チウネ・スギハラがいます。彼のビザで日本に向かったユダヤ難民を助けた人々も、少なからずいました。彼らの勇気に、私たちは倣いたいと思います。

 ヤド・ヴァシェムに灯る「永劫の火」を導きのともしびとして、差別と戦争のない世界、人権の守られる世界の実現に向け、働き続けなければなりません。日本としても、世界の平和と安定に、より積極的に貢献する決意です。

 先の大戦終結から70年、そして、アウシュビッツ解放以来70年でもある本年、このような悲劇を二度と繰り返させない、との決意を表明します。

 トダ・ラバー。 ありがとうございました。

 
(スペイン語訳)
  De corazón quisiera rendir homenaje a los esfuerzos que vienen haciendo ustedes para transmitir a las futuras generaciones las tribulaciones del pueblo judío, como patrimonio de toda la humanidad. Siento profundo respeto ante sus antepasados que se dedicaron a la fundación de Israel superando su profundo dolor.

Hoy he aprendido cuán pueden ser despiadados los seres humanos con la discriminación y odio contra otro grupo de personas. En marzo del año pasado visité la casa de Ana Frank en Amsterdam. Hoy he renovado mi determinación Ha-sho’a lo le’olam od.” El Holocausto, nunca más.

Tenemos un predecesor de nombre Chiune Sugihara. Hubo también considerable número de ciudadanos japoneses que ayudaron a los refugiados judíos que se dirigían a Japón con los  visados que les emitió Sugihara, cuyo coraje vamos a seguir.

Debemos seguir trabajando por la realización de un mundo libre de discriminación y de guerra donde los derechos humanos sean protegidos, guiados por la “llama eterna" de Yad Vashem como antorcha. Japón está decidido a contribuir aún más activamente a la paz y la estabilidad del mundo.

Este año, el septuagésimo aniversario del fin de la Guerra Mundial y de la liberación de Auschwitz, quiero manifestar mi determinación de no dejar que se repita esta tragedia.

Toda raba. Gracias.

(解説)
1 杉原千畝氏は、リトアニアのカウナスで日本国領事として、迫害を受けて国外に避難するユダヤ人のために、(彼らの日本に親類がいたり日本に財産を持っていることにする等、いろいろ工夫して)日本入国に必要な査証を数多く発給したことで知られる。私自身、アルゼンチンやブラジルでご自身或いは親が杉原氏に救われたという多くの方々にお会いし、感謝されたことがある。素晴らしい先輩を持ったことを誇りに思う。

2 この総理のメッセージは、我々日本人が感じているところを率直かつ真摯に表しているものと思う。スペイン語圏の人々にも、是非伝わってほしいと願う。

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