2015年10月19日月曜日

今日のスペイン語(408) ジョーク 妻との会話 

 夫婦関係に関するジョーク。どこの国でも一般に、妻は多く喋り、夫はどちらかというと聞き役と言われているが...

(スペイン語)
 Dos amigos conversan en el bar.
--¿Y dices que en diez años no has hablado a tu mujer?, ¿Y eso por qué?
--le dice uno al otro.
--Pues para no interrumpirla.

 
日本語
 二人の友人の飲み屋での話。
「で、お前、10年間女房に話しかけなかったと言うのかよ? どういう訳だい?」
「そりゃ、話の腰を折らないためだよ。」

 
(解説)
(1) 10年間というのは大袈裟にしても、ちょっとした会話の中で、相手が饒舌すぎて、なかなか自分の言いたいことを話せない、という経験は皆あると思う。特に相手が配偶者である場合には  ご如才なきことながら、このジョークは、男性同士でのみ許されていることを、お忘れなく。

(2)“interrumpir”は、「(人)の話をさえぎる、口を挟む、(人の)話の腰を折る」という意味の他動詞。直接補語が(話をさえぎられる)人であることに注意しよう。上記の例文中、”interrumpirla”の“la”は、彼の奥さんのこと。ジョークを披露している途中に、誰かがちょっかいを入れてきたら、 No me interrumpas.”(話の腰を折らないでくれよ。)という。

2015年10月18日日曜日

今日のスペイン語(407) ジョーク 保証

 今日のジョークは、信用取引の根幹にかかわる「保証」の価値について。

 

(スペイン語)
 Entre dos conocidos:
--¿Me puedes prestar mil euros?
--¿Qué garantía me darías?
--¡La palabra de un hombre honrado!
--Muy bien, pues cuando vengas con ese hombre te los daré.

 
(日本語)
 二人の知り合いの会話;
1,000ユーロ貸してくれるかい?」
「どんな保証をしてくれるんだい?」
「誠実な男の約束だ!」
「わかった。それじゃあ、その(誠実な)男を連れてきたら、貸してやるよ。」

 
(解説)
(1)この会話が“conocidos”(知り合い)間のもので、“amigos”(友達)同士の会話でない点に、まず注目願いたい。友達であれば、相手の誠実さを信頼するのが友情であるから、その言葉を信用して直ぐに1000ユーロ位貸してあげるのが騎士(caballero)たるものの振る舞いである。

 新渡戸稲造の著作「武士道」は、明治初期に日本人の素晴らしさを世界に紹介する上で大きな役割を果たした。その中で、武士が口頭で約束したことは、命にかけても守られるのが当然であって、この口頭の約束を書状にしてほしいと頼むことは、大変な侮辱であるとされている。新渡戸説によると、金をせびった男は武士とは見られなかったことになるのだろう。

(2)“palabra”はご承知の通り、「言葉」、「発言(挨拶)」、「約束」等の訳語があるが、いずれにせよ書面ではなく口頭で発せられる。だからここでは「口約束」の意味。日常会話で、自分が言ったことを相手が疑っている時に、“Palabra.”とか“Palabra de honor.”(本当だよ、誓ってもいいよ)ともいう。

2015年10月17日土曜日

今日のスペイン語(406) ジョーク なぜ手術をするのか

 今日も、いわゆる医者ジョーク。

<スペイン語>
 Mientras el enfermo está en la cama, dos médicos cambian impresiones en voz baja.
--A este señor hay que operarle enseguida.  –dice uno de ellos.
--¿Qué tiene?  --pregunta el otro.
--Mucho dinero.

(日本語)
 患者が床に伏している間、二人の医師が小声で印象を述べあっている。
「この人は直ちに手術の必要がありますね。」
「何(の病気)を持っているんですか?」
「大金ですよ。」

(解説)
(1)        このジョークは、いわゆる言葉遊びで、或る単語が複数の意味を持ち、そこから生じる誤解が笑いを呼ぶという型である。最初の医者は、(例えばcáncer(癌)とかhepatitis(肝炎)などの)病気を「患う」という意味の“tener”、二番目の医者は大金(財産)を「所有する」という意味の“tener”を念頭に置いている。

(2)        tener”という動詞は、何か(モノや状態)を「持つ」という基本を押さえておけば、スペイン語で読み、使う分にはあまり困らないが、日本語に訳すには少々工夫が要る。“Tiene el pelo rubio.”((彼女は)金髪だ)、 Tengo una cita.”(約束がある)、“Tengo mucho trabajo hoy.”(仕事が一杯ある)、“La casa tiene cinco años.”(5年経っている)、“Tengo frío.”(寒い) “Tiene algo de nobleza.”(ちょっと高貴なところがある)... いやはや、多すぎて「tener=持つ」だけではとても歯が立たない。日本語を学ぶ外国人の苦労は大変なものだろうと察する。上記例文の日本語訳がこなれていないのも、ご理解をいただけるものと期待する。

(3)        このジョークは“tener”という一つの単語が多様な意味を持つことに着目しているが、違う単語が同じ発音である場合、つまり同音異義語は、スペイン語にもある。“vino”が「ワイン」という名詞と「来た」という動詞の過去形のいずれにも解されるといった類である。尤も、同音異義語は、日本語の方が圧倒的に多く、外国語に訳すのは非常に難しいか、または不可能とも言える。例えば、

「新人歌手とかけて夏の終わりと解く」
―「心は?」
―「どちらもすぐあきがくる」(注:「秋」と「飽き」)

 ついでにもう一つ、
「一枚でもせん(千)べいとはこれいかに?」
―「一個でもまん(万)じゅうと言うがごとし」

  さあ、これをスペイン語にうまく訳せるだろうか?

2015年10月11日日曜日

今日のスペイン語(405) ジョーク 労働規則

 旧ソ連の、労働規則にかかわる話。

(日本語)
 或る国営工場で、始業サイレンの鳴る時刻より出勤した労働者が逮捕された。意図的な罷業の容疑であった。

同じ工場で、早く出勤した労働者が逮捕された。スパイ容疑であった。

同じ工場で、始業時刻ぴったりに出勤した労働者が逮捕された。日本製の時計を密輸入した容疑だった。

スペイン語
 En una fábrica estatal, un obrero que llegó al puesto de trabajo después de sonar la sirena de comienzo fue detenido... bajo sospecha de negligencia intencionada.

En la misma fábrica, uno que llegó antes fue detenido... bajo sospecha de espionaje.

En la misma fábrica, uno que llegó al puesto justo a la hora de la sirena fue detenido... bajo sospecha de contrabando de reloj japonés.


(解説)

(1)     日本製品の品質が高く評価されているのは良いのだが、あまりに、不条理で、後味はよくない。最初の労働者は罷業とされても仕方ないだろう。二番目の労働者は、誰もいない工場に早く来て秘密を盗もうとしていたという容疑である。全体主義国家は、人を疑うのが存立の基本だから、これもある程度納得できないことはない。最後の労働者の運命がこのジョークのキモである。この国では、まともに動く国産の時計を製造できないので、この労働者は日本製の「正しい時を示す」時計を持っているに違いない、そして資本主義国である日本の優れた工業製品の輸入は禁止されているのだから、こいつは密輸犯に違いない、という筋書きである。要するに、こういう国では「人々に救いはない」というのが結論。

(2)     始業のサイレン(la sirena de comienzo)は、製造業の工場等で始業を全員に告げるための、例の「ウーーー」という始業のお知らせのこと。

2015年10月9日金曜日

今日のスペイン語(404) ジョーク 診察の仕方

 今日も、いわゆる医者ジョーク。スペインの医者独特の診察方法なのだろうか。

(スペイン語)
  Una muchacha y su madre entran en la consulta.
-Desvístase, por favor, que voy a examinarla. –le dice el médico a la joven.
-No soy yo la enferma, es mi madre.
-En ese caso, saque la lengua, señora, para poder examinarla.

(日本語)
 若い娘と母親が診療所に行った。
医師が娘に:「診察しますので、服を脱いでください。」
娘:「患者は私ではなくて、母の方です。」
医師:「それでは、奥様、診察しますので、舌を出してください。」


(解説)
(1)           おそらく診療所で実際にこんなことは無いだろうが、スペインでジョークのネタにされる医師のイメージは、こんなものである。

(2)           “consulta”または “clínica”は、街角の小さな診療所、日本では、クリニックとか何とか医院にあたる。

(3)           “sacar la lengua”は、例文のように文字通り、人間の動作として単に「舌を出す」他、日本語と同様、「あかんべー」と、人をからかう際にも使われる表現。日本語とスペイン語という、まったく異なる言語の間でも、同じ動作が同じ意味を持つ例である。

 

2015年10月8日木曜日

今日のスペイン語(403) ジョーク 年代ものワイン

 ジョークのカテゴリーに、ウェイター・ジョークというのがある。レストランで客とウェイターが、すれ違いの会話をするものである。

(スペイン語)
Cliente: ¿De qué año es este vino?
Camarero: Déjeme ver la botella... Pues... del año 1815.
Cliente: ¿Es de hace 200 años?
Camarero: A ver...sí, claro. “casa fundada en 1815”.

日本語
「このワインは何年ものですか
ウェイター「ちょっとボトルを見せて。えーと  1815
200年ものですか!?」
ウェイター:「えーそうだよ、1815創業だってよ。」

(解説)
(1)何を隠そう、今日の噺はジョークでなく、マドリードの或る日本食レストランで本当にあった話。無愛想な年寄りのウェイターの、つっけんどんな喋り方が面白いので、有名な店だった。先月行ってみたが、懐かしのレストランはもう無かった。

(2)念のため解説すれば、客が驚いたのは、ワインの原料であるブドウの収穫年が1815年と理解したのに対して、無知なウェイターは、1815と書いてあるワイナリーの創業年をそのまま読んだだけだった、というお話。(なお、スペインなどの南欧諸国では、19世紀にできた由緒あるワイナリーというのは、そう珍しいものではない。)

(3)このウェイターとの間で、こんな会話もあったらしい。
 スペイン人の客:「隣のテーブルの日本人が食べてるのは美味しそうですね。同じものを下さい。」
 ウェイター:「あれは生の魚と納豆だ。あんたには無理だよ。カツレツ(escalope)にしておきな。」

2015年10月7日水曜日

今日のスペイン語(402) ジョーク 救命ボート

 引き続き、日本人ジョークを紹介する。皆さん、どこかで聞いたことのある有名なジョーク。

(日本語)
 客船が座礁し、まさに沈没せんとする時、救命ボートは満杯になっていた。船長が、ボートに乗っている男性達に、子供や女性に譲ってほしいと要請し、皆の協力を得ることができた。どんな要請をしたかというと;
 米国人には、「あなたは英雄でしょう。」
 英国人には、「あなたは紳士でしょう。」
 フランス人には、「譲らないでください。」
 日本人には、「皆さん譲ってますよ。」

(スペイン語)
 Cuando un barco de pasajeros estaba a punto de hundirse después de encallar, la balsa salvavidas estaba completa. Entonces el capitán pidió a los hombres que estaban dentro de la balsa que concedieran su sitio a niños y mujeres, y lo consiguió. Convenció;
-       a los americanos elogiando que son héroes,
-       a los británicos alabando que son caballeros,
-       a los franceses pidiendo que no condedieran su sitio,
-       a los japoneses explicando que todos los demás ya habían concedido su sitio.

(解説)
(1)日本人やフランス人にはあまり面白くないジョークかもしれない。日本人は横並びを気にする、という先入観がこのジョークの背景にある。いうまでもないが、米国人はアクション映画のヒーロー願望があり、英国人は紳士と呼ばれることに名誉を感じ、フランス人は天邪鬼、という印象が前提である。

(2)私が聞いたのは例文に記したバージョンだが、例えば、「別の豪華な救命ボートがありますよ」、「格安ボートもありますよ」、「船長室に金塊が置いてあるんです」、「奥様(本社)の指示です」、「船内にはたくさんウォッカが残ってますよ」などを、適当な国名と組み合わせて、いろいろな創作版を作ってみるのも面白いだろう。

(3)座礁するは”encallar”

(4)救命ボートは”balsa salvavidas”または“bote salvavidas””balsa”はもともと「筏」のことで、ボートピープルのように難民が寿司詰めに乗った難民船的な印象が強い。”bote”はもう少しましな船のように聞こえる。

2015年10月6日火曜日

今日のスペイン語(401) ジョーク 電球の交換

 今日のジョークは、有名な電球ジョーク。いろいろな国の人が、奇想天外な、しかしお国柄をよく表した方法で交換するというパターン。昔は途上国の人たちがやり玉にあげられることが多かったが、最近では日本人が登場するバージョンを聞くようになった。

(日本語)
 天井の電球を交換するのに、何人必要か?
 オランダでは、1人。背が高いので天井に手が届くから。
 ○○では、2人。1人が電球を手に椅子に上り、もう1人が椅子を回すから。
 △△では、5人。まず電球交換方法につき5人で議論するため。
 日本では、10人。1人が電球を交換し、残りの9人がその写真を撮るから。

(スペイン語)
 ¿Cuántas personas son necesarias para cambiar una bombilla en el techo?
 En Países Bajos, basta con uno, porque es tan alto que llega al techo.

En ○○, hacen falta dos, porque uno sube a la silla con la bombilla en mano, y el otro gira la silla.

En △△, hacen falta cinco, porque discuten la metodología para cambiar bombillas entre cinco.

En Japón, se necesitan diez, porque uno reemplaza la bombilla y los demás toman fotos.

 

(解説)
(1)       ずいぶん昔に、初めてこのジョークを聞いた時は、○○人がブラジル人というバージョンだけだったが、その後多くの人の創意工夫を経てたくさんの国が参加するように進化してきたようだ。

(2)       オランダ人は、すごく背の高い人ばかりだと考えられている。可哀そうな○○人だが、実は、政府の失業対策として過剰雇用が義務つけられているのだ、という解説を聞いたことがある。△△人のような議論好きの国民は、まわりを見回すと随分いるようだ。日本人の写真好きは世界中で知れ渡っているが、最近各国の観光地に行くと、もっと凄い写真マニア達がたくさんいるので、そろそろ他国にこの名声を譲ってもよいのではないかと思えてくる。

2015年10月5日月曜日

今日のスペイン語(400) ジョーク 奇跡

 今日ご紹介するのは、いわゆる動物ジョークの一つ。動物が予想もしない行動をして人を驚かせるというお話。

(スペイン語)
 Corre un hombre perseguido por un león. Cuando ya no puede más, cae de rodillas y reza. Entonces ve que el león también se pone de rodillas y hace lo mismo.
 El hombre exclama de alegría:
“¡Es un milagro!  Este animal se ha convertido en cristiano.”
  Mientras, el devoto león sigue su oración:
“Señor, bendice este alimento que voy a comer.”

(日本語)
 一人の男がライオンに追われて逃げていた。最早これまでと、跪いて祈りを捧げると、ライオンも跪いて祈りを捧げているのが見えた。
 男は歓喜に満ちて叫んだ。
「奇跡だ!この獣がキリスト教に改宗したんだ。
  一方、敬虔なライオンは祈りを続けて、
「主よ、私がこれからいただく食事に感謝します。」

(解説)
(1)試験の前日に一夜漬け勉強をしている時、マラソンで息切れになった時を思い浮かべよう。もうこれ以上努力を続けられない時に口に出す言葉が、“ya no puedo más”。口語にすれば、「もうだめだ!」。

(2)“convertirse en は、「あるものから別のものに変わる」の意味。“transf ormarse”が「外形」(forma)の変化なのに対して(映画の”Transformer“は文字通りこの種の変化!)、”convertirse“は多くの場合、「内面」の思想や信条を変えること、つまり共産主主義から民主主義信奉者になったり、別の宗教に改宗するという意味で使われる。

(3)“bendecir”は、キリスト教用語で、一般に、何か(誰か)を祝福するという意味だが、ここでは、“bendecir la mesa(comida)”として、今日この食事があることに対して、神に感謝を捧げるという意味に使われている。「天に召します主よ、この食事の恵みを 心から感謝します」という、例のお祈りである。

2015年10月4日日曜日

今日のスペイン語(399) ジョーク 無人島漂流 

 ジョークの一つに、いろいろな国の人が登場し、その国ならではの振る舞いをするカテゴリーがある。そういったジョークには、しょっちゅう日本人が出てきて、笑いをとるのだが、我々から見て、出来のよいものと、歪んだ日本人像に見えるものがある。今日のやつはどうだろか。

(日本語)
 無人島に男2人と女1人が漂着した。さて彼らの運命やいかに。

男2名がイタリア人だったら、一人の女を巡って決闘するであろう。

フランス人だったら、男のうち一人が女と結婚し、もう一人の男は、女の愛人となるだろう。

ドイツ人だったら、やはり男の一人が女と結婚し、もう一人の男は公証人役を務めるだろう。

米国人だったら、一人の男が女と結婚するが、上手くいかずに離婚訴訟を起こし、もう一人の男は彼に法律相談サービスを提供するだろう。

オランダ人だったら、男二人が結婚するだろう。

日本人だったら、二人とも本社に対応を照会するだろう。

(スペイン語)
 Dos hombres y una mujer llegan de náufragos a un isla desierta. ¿Qué suerte les esperará?

Si los dos hombres son italianos, se batirán en duelo por la mujer.

Si son franceses, uno se casará con la mujer, y el otro será su amante.

Si son alemanes, uno se casará con la mujer, y el otro servirá de notario.

Si son americanos, uno se casará con la mujer pero luego presentará una demanda de divorcio, y el otro le prestará servicio jurídico.

Si son holandeses, los dos hombres se casarán.

Si son japoneses, los dos hombres consultarán con la oficina central de su empresa.

 
(解説)
(1)ここに挙げられた各国の男性達には、それぞれ言い分があろうが、広く持たれている印象(または偏見か?)をよく表している。日本人についていえば、日本企業が海外進出を始めた当初、海外支店とか連絡事務所だったので、出先には権限も資金もなく、ほとんど全てを本社に照会せざるを得なかったために、このようなイメージが定着してしまったのではないか、というのが私の推測である。

(2)「決闘する」は“batirse en duelo”。

(3)「本社」は“la oficina central de la empresa”または“casa matriz”。「支店」は“sucursal”。