2015年10月11日日曜日

今日のスペイン語(405) ジョーク 労働規則

 旧ソ連の、労働規則にかかわる話。

(日本語)
 或る国営工場で、始業サイレンの鳴る時刻より出勤した労働者が逮捕された。意図的な罷業の容疑であった。

同じ工場で、早く出勤した労働者が逮捕された。スパイ容疑であった。

同じ工場で、始業時刻ぴったりに出勤した労働者が逮捕された。日本製の時計を密輸入した容疑だった。

スペイン語
 En una fábrica estatal, un obrero que llegó al puesto de trabajo después de sonar la sirena de comienzo fue detenido... bajo sospecha de negligencia intencionada.

En la misma fábrica, uno que llegó antes fue detenido... bajo sospecha de espionaje.

En la misma fábrica, uno que llegó al puesto justo a la hora de la sirena fue detenido... bajo sospecha de contrabando de reloj japonés.


(解説)

(1)     日本製品の品質が高く評価されているのは良いのだが、あまりに、不条理で、後味はよくない。最初の労働者は罷業とされても仕方ないだろう。二番目の労働者は、誰もいない工場に早く来て秘密を盗もうとしていたという容疑である。全体主義国家は、人を疑うのが存立の基本だから、これもある程度納得できないことはない。最後の労働者の運命がこのジョークのキモである。この国では、まともに動く国産の時計を製造できないので、この労働者は日本製の「正しい時を示す」時計を持っているに違いない、そして資本主義国である日本の優れた工業製品の輸入は禁止されているのだから、こいつは密輸犯に違いない、という筋書きである。要するに、こういう国では「人々に救いはない」というのが結論。

(2)     始業のサイレン(la sirena de comienzo)は、製造業の工場等で始業を全員に告げるための、例の「ウーーー」という始業のお知らせのこと。

0 件のコメント:

コメントを投稿