2015年9月30日水曜日

今日のスペイン語(395) ジョーク カタル-ニャの冬

 スペインのカタルーニャ地方は、GDPの約2割を産出する先進地域で、エル・ブジ(El Bulli)に象徴されるようなグルメ地方であり、NadalFerrerはじめ強いテニス選手を多く輩出するなど、良いイメージの地方である。ただし、「カタルーニャ人はケチ」と思われているのが玉に傷。そこを突いたジョークも多いが、今日は一つだけ紹介する。

(スペイン語)
--¿Qué hace un catalán cuando tiene frío?
--Se acerca a la estufa.
--¿Y cuando tiene mucho frío?
--La enciende.

(日本語)
―カタルーニャの人は、寒い時に何をしますか?
―ストーブのそばに寄ります。
―では、ものすごく寒い時にはどうするのですか?
―ストーブをつけます。

(解説)
(1)ケチなカタルーニャ人は、寒くとも、ストーブをつけずに灯油代を節約するという、ありそうもない話だが、多分カスティーリャ地方のいじわるな人が考えたジョークだろう。

(2)さらにこのジョークがいじわるなのは、“cuando hace frío”(気温が低いけれど、本人は寒がっていないかもしれない時)でなく“cuando tiene frío”(気温が低いこともさることながら、本人が寒がっている時)にもストーブをつけない、と読めること。“hacer”と“tener”の違いによるニュアンスの差をうまく表している。

2015年9月28日月曜日

今日のスペイン語(394) ジョーク 汚職比べ

 国や地域を問わず、汚職もジョークのネタになることが多い。今日は典型的な汚職ジョークをお届けする。多くの方は既にご存じと思うくらい、有名な代物である。なお、機微な内容のため、国名も個人名も仮名とした。


(日本語)
 A国のクリンゴン終身大統領が隣のB国を訪問し、独裁者イアーゴー大佐と会談した。イアーゴー大佐が執務室の窓から外を見せて、「遠くに、片側1車線の高速道路が見えますね。予算では2車線道路だったのですが、1車線分のカネは私のポケットに収まりましたよ。」

後日、イアーゴー大佐がA国にクリンゴン大統領を訪問した際、クリンゴンが言うには、「遠くに、2車線の高速道路が見えますか?見えないでしょう。2車線分の道路予算があったのですが、全額私のポケットに収まりましたよ。」

(スペイン語)
 Klingon, presidente vitalicio del país A visitó el país vecino B y se entrevistó con su dictador, el coronel Yago. Yago, mostrando el exterior desde la ventana de su oficina, dice: "Vea aquella autopista de un carril. Aunque habían preparado el presupuesto para dos carriles, la mitad entró en mi bolsillo ".

Posteriormente cuando el coronel Yago visitó el país A para ver al presidente Klingon, este último le dice: " ¿ve aquella autopista de dos carriles? Seguro que no la ve. Habían preparado el presupuesto suficiente para la construcción de una autopista de dos carriles. Todo el presupuesto se quedó en mi bolsillo.


解説
1 この種のジョークは、国によっては、ジョークではなく現実の脅威と言われているので、下手に現実の人名を入れると、本当の話であるかのように広がって大変なことになってしまう。この例文で仮名としたクリンゴンは映画スタートレックの悪い宇宙人、イアーゴーはシェイクスピアのオセローに出て来る敵役の名。

2 終身大統領は“presidente vitalicio”。ちなみに、大統領は本来、性別に関係なく”presidente”と習ったが、最近、特に中南米では女性大統領を”presidenta”と呼ぶのが通例となっている。
 

2015年9月27日日曜日

今日のスペイン語(393) ジョーク もの忘れ

 医師や病院に関するジョークを引き続きお届けする。

(スペイン語)
 -Doctor, estoy perdiendo la memoria.
 -¿Desde cuándo?  -pregunta el médico.
 -¿Desde cuándo qué?

 
日本語
「先生、もの忘れがひどくなってるんです。」
ー医者が「いつからですか?」と聞いたら、
「いつからって、何のことですか?」


(解説)
1 ここまでもの忘れが激しいと、もはや“demencia”(認知症)の恐れがある。もっともよく知られている認知症の原因が“alzheimer”(アルツハイマー病)である。

2 上記例文で、“¿Desde cuándo qué?”という言い方は、おそらく正式な文法書には出てこないが、日常会話では頻繁に使われる。正確に言えば、”¿A qué se refiere eso de “desde cuándo”?”とでも言うのだろうが、そんなきちんとした文章構成を考えてしゃべる人はいない。私達日本人にはすごく分かり易い表現で、助かる。
 この手の言い方の例文をもう一つ:
 “He visto <las Brujas de Zugarramurdi>.”(「スガラムルディの魔女たち」を観たよ。) 
 “¿Brujas de qué?”(何の魔女たちだって?) 
 “las Brujas de Zugarramurdi”は、2013年のスペイン映画で、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の作品。バスク地方のスガラムルディ村に伝わる魔女伝説をパロディ風に調理した喜劇。Brujas(魔女たち)はわかるが、スペイン人でも「スガラムルディ」をはっきり聞きとれる人は多くない。「何の魔女たち?」と聞き返す時には、このような省略形で言う。

2015年9月26日土曜日

今日のスペイン語(392) ジョーク ソ連その3

 おそらく多くの方が耳にしたことのある、ソ連の定番ジョーク。スペイン語圏でもシニアな人々にはよく知られている。

(日本語)
ある男が、モスクワの赤の広場で、「ブレジネフ(ソ連共産党書記長)は大馬鹿野郎だ!」と叫んだために、20年と3ケ月の禁固刑に処せられた。3ケ月は共産党書記長侮辱罪で、20年は国家機密漏洩罪で。

(スペイン語)
 En la Plaza Roja de Moscú, un hombre gritó: "Brezhnev es un gran idiota.", lo cual le causó 20 años y tres meses de prisión...  Tres meses por injurias al Secretario General del Partido Comunista, y 20 años por la infiltración de secreto de Estado.

 (解説)
1 ある国の独裁者が本当にgran idiotaであるか、あるいはそう思われているかどうかに関わりなく、独裁者の名前を入れ替えれば、いろいろな国バージョンができるジョークのパターンである。なお、本当にソ連の党書記長侮辱罪の法定刑が3ケ月で国家機密漏洩罪が20年かどうかは私も知らないが、そこはジョークなのでご容赦願いたい。

2 侮辱は、他に“insulto”、“ofensa”などともいうが、刑法用語になると“injuria”が使われる。侮辱罪は“delito de injurias”。
 
3 国家機密は、文字通り”secreto de Estado”。通常は、国家の安全保障や治安、国家の安定維持に極めて重大な影響を与えうる機密であり、軍の配備とかサイバー攻撃対策の計画書等が典型例であり、国家最高指導者のおつむの具合は、通常は国家機密とは言えないので、何らご参考まで。

2015年9月25日金曜日

今日のスペイン語(391) ジョーク 手術の効果

 医者や病院に関するジョーク・シリーズ。今日は名医が手術すると、どんな効果が期待できるかという話。

(スペイン語)
- Doctor, dígame la verdad: después de la operación, ¿podré tocar la guitarra?
-Pues, sí, perfectamente.
-¡Qué bien! Porque antes no sabía.

(日本語)
―先生、本当のことを言ってください手術後、ギターを弾けるんでしょうか?
 さよう、完璧に弾けますよ。
―ああよかった! 以前は弾けなかったんです。


(解説)
(1)そもそも外科手術は、病気や怪我を直すのが唯一の目的であって、手術おおかげでギターが弾けるようになる訳はないのだが。医者に過度の期待をかけるという噺は、他にもいくつかある。例えば、「手術の後は働けるんでしょうか?」と聞く患者に対して医者が「問題なく働けますよ。」と答えると、患者が「病気が治るだけでなく、職まで斡旋してくれるんですか、ありがとうございます。」さすがに病院で就職斡旋までしてくれると期待するのは、如何なものかと思うけれど

(2) Doctor, dígame la verdad.”は、ドラマなどでもよく聞く。自分は本当は余命いくばくもないのではないかと疑う患者が、医者に真実の告知を求める際の典型的な科白。

(3)”no sabía” は、“no sabía tocar la guitarra antes de la operación”(手術をする前には、ギターが弾けなかった)という意味。

今日のスペイン語(390) ジョーク 手術が怖い

 何回か医者に係るジョークを載せてきたが、今日はもう一つ、ちょっと心配な医者についてのジョークを。

(スペイン語)
-¡Ay, doctor! ¡Estoy muerto de miedo! Es la primera operación que me hacen en mi vida.
-Tranquilícese, hombre, y deje de temblar. Mucho más miedo tengo yo, que es mi primer trabajo como cirujano.

(日本語)
―ああ、先生、死ぬほど怖いんです。人生で初めての手術なんで。
―落ち着いて。震えないでくださいよ。私の方がもっと怖いんですよ。何しろ、外科医としての最初の仕事なんですから。

(解説)
(1)      こういう医者にあたったら、患者の方こそ、もっと怖いだろう。

(2)    その「怖い」は、普通は”tener miedo”だけど、物凄い怖いときには、例文のように“estar muerto de miedo”となる。もちろん、”muerto”といっても本当に死んでいる訳ではなく、「恐ろしさのために、死んでしまうかのような」思いがする、といった誇張表現である。なお、口語では、“estar cagado de miedo”を聞く方が多いけれど、少々お下品な表現なので、使わない方が安全。

 

2015年9月23日水曜日

今日のスペイン語(389) ジョーク ソ連その2

 東京は港区麻布台にあるロシア大使館は、その昔、今はなきソ連(ソヴィエト社会主義連邦共和国)の駐日大使館だった。1970年代のある真夜中のこと

(日本語)
 午前3時、ソ連大使館から警視庁に、強いロシア語訛りの日本語で緊急電話があった。
「気の狂った日本人が大使館構内に侵入しました。すぐに引き取ってください。」
 警視庁の当直が、「一体どうしたんですか?」と事情を聞くと、
「この馬鹿野郎は、ソ連に亡命したいと騒いでいるんです。」

(スペイン語)
 A las tres de la madrugada, la Policía Metropolitana de Tokio recibió una llamada urgente de parte de la Embajada de la Unión Soviética, con la voz de un japonés con fuerte acento ruso.
 "Un japonés loco ha invadido el recinto de la Embajada. Por favor, cójanle inmediatamente."
 El guardia de noche de la Policía preguntó qué estaba pasando, a lo aque contestó el ruso:
 “Es que este imbécil dice que quiere exiliarse a la Unión Soviética.

(解説)
1 この噺は、その昔、ソ連/ロシアの専門家から聞いたものだが、未だに、本当の話だったのかジョークだったのか教えてもらっていない。すでに70年代にして、東京に住むソ連政府の人達も、「よもや日本のような国からソ連に亡命を希望する人間のいる筈がない」と考えていた、というのがこのジョークのポイントである。考えてみれば、優秀なソ連政府の人達が海外に生活して、先進国の生活を知ってしまえば、ソ連に亡命を希望する日本人がどんな類の人間であるかは、想像がついたのであろう。

2 警視庁は“la Policía Metropolitana de Tokio”。ちなみに警察庁は“La Agencia Nacional de Policía”。

3 政治亡命するのは、“exiliarse”だが、政治亡命は“asilo político”、政治亡命を認めるのは“conceder asilo político”という。

2015年9月22日火曜日

今日のスペイン語(388) 緑茶の飲み方

 和食の普及に伴って、日本茶も、今や世界中のスーパーマーケットで売られるようになってきた。ところが、その飲み方となるとあまり知られていないようなので、今日は日本茶のおいしい飲み方をスペイン語で作ってみた。スペイン語圏の友人にお茶(緑茶)を土産で持っていく時などに参考になろう。

(スペイン語)
 Para disfrutar del sabor del té verde hay que prepararlo de la siguiente manera:
--Echar el agua recién herbida en las tazas en que lo vamos a beber, tantas como comensales.
--Cuando la taza esté caliente y el agua haya perdido un poco de temperatura se devuelve a la tetera, donde has echado las hojas, deja reposar un minutillo un ratito, y se vierte en las mismas tazas precalentadas.
 Así el té ni se enfría ni se quema.
--Con las mismas hojas puedes servir varias tazas. Con la primera tanda disfrutas el aroma, con la segunda el sabor, con la tercera sabor leve, y ya. La cuarta no sabe a nada.
--En la segunda tanda no necesitas repetir la operación de precalentar la taza, porque ya estará caliente y las hojas enfriadas desde la primera operación. Puedes echar el agua caliente directamente sobre las hojas ya mojadas.

(日本語要旨)
お茶の味を楽しむためには、次のように準備します。
―沸かしたばかりのお湯を、人数分の湯飲み茶碗に注ぎます。
―湯飲み茶碗が熱くなったら、(そしてお湯が少し冷めたら)、お湯を、お茶の葉を入れた急須に注ぎ、少しの間待って、予め温めておいた湯飲み茶碗に注ぎます。こうすれば、お茶は冷め過ぎず、熱すぎず。
 一度急須に入れた葉で、何杯かのお茶を注ぐことができます。1杯目には茶の香りを、2杯目には味わいを、3杯目には薄味を楽しめます。4杯目になると、もう出がらしです。
―2杯目の時は、湯飲み茶碗は既に暖かくなっており、葉の温度が下がっているので、1杯目と同じ手順を繰り返す必要はありません。熱いお湯を直接急須の中の湿った(そして温度の下がった)葉に注ぎます。

(解説)
 お気づきのように、スペイン語で作った説明を字句通りに日本語に訳すと、何だかしっくりしない感じがする。もし、日本で日本人向けに売られている日本茶の(こなれた日本語の)解説をスペイン語に直訳したら、多分わかりにくいスペイン語になってしまうだろう。日本文化を外国の方に説明する際、しばしば苦労するのは、直訳が通用しないこと。彼我の文化のベースや生活習慣の違いを踏まえた上で、先方に分かり易い表現を先方の言語で考えながら文章を考えねばならない。

2015年9月17日木曜日

今日のスペイン語(387) ジョーク:ソ連/ロシア

 冷戦華やかなりし頃、ソ連ジョークというのが大いに流行っていた。多くは、その共産主義体制を揶揄する内容で、抑圧された市民のささやかな楽しみだった。ソ連が崩壊しても、ロシア人達のジョーク好きは変わらないようである。今日のやつは、いろんな機会に何回か耳にしたもの。


(日本語)
 キッシンジャーがエリツィンに謎かけをした。「私の両親の子だけれど私の兄弟/姉妹でないのは誰でしょうか?」
 エリツィンはわからずに降参。
 キッシンジャーの答えは、「それは私ですよ。」
 エリツィンはこれが大いに気に入って、プーチンをからかってやろうと、同じクイズを出した。
 「私の両親の子だけれど私の兄弟/姉妹でないのは誰でしょうか?」
 プーチンの答えは、「それは貴方でしょう。」 
 エリツィンは得意がって、
 「違うよ。それはキッシンジャーだよ。」


(スペイン語)
 Kissinger pone una cuestión a Yeltsin: "¿Quién es la persona que es hijo o hija de mis padres pero que no es ni mi hermano ni mi hermana?"
 Yeltsin no sabe contestar y se rinde.
 Kissinger le señala la respuesta: "Soy yo."
 A Yeltsin le gusta tanto la cuestión que se la pone a Putin para burlarse de él:
 “¿Quién es la persona que es hijo o hija de mis padres pero que no es ni mi hermano ni mi hermana?"
 Putin le contesta: "Será usted."
 Yeltsin, muy complaciente, le dice:
 "Te equivocas. ¡Es Kissinger!”

(解説)
 このジョークは、ロシアの初代大統領エリツィンからプーチンに権力禅譲が行われる前後の話。エリツィンは人気があったものの大酒のみで、いわゆる秀才タイプではなかった。一方のプーチンはKGB出身の能吏タイプで、冷徹なイメージであった。米国の大統領補佐官や国務長官を務めたキッシンジャーが登場するのは不思議だが、頭脳明晰な人物の象徴といった役回りなのだろう。

 このジョークも、人の名前を入れ替えていろいろなバージョンが作れそうだ。ポイントはキッシンジャーとプーチンのところに秀才的な人、エリツィンを「ボケ」タイプの人に替えること。

今日のスペイン語(386) ジョーク:豪華ホテルにて

 スペインのLepe村やGalicia地方の人がしばしばジョークのネタにされることは、以前にも述べた。今日のやつは、△△△に適当な小村の名を入れていただければ、世界中どこでも通用するジョーク。

(日本語)
 △△△の男が初めて首都(マドリード)に上京して、豪華ホテルに泊まることになった。丁重に出迎えを受け、ベルボーイに案内されていたが、突然怒り出した。
 「こんな小さな部屋で我慢できる訳ないだろ。ベッドもないし、トイレもない...。田舎のバカ者扱いするんじゃないぞ。」
 ベルボーイが答えて、
 「お客様、落ち着いてください。ここはエレベーターです。」

 
(スペイン語)
 Uno de △△△ viene a la capital por primera vez y se aloja en un hotel de lujo. Le reciben en la recepción y un botones le guía con todo respeto. De repente el aldeano se empieza a enfadar:
  “¿Crees que se puede aguantar con esta minimísima habitación?, ...no tiene ni cama ni baño... , No me tomes como un campesino estúpido!".
  Dice el botones -- "Señor, cálmese por favor. Estamos en el ascensor.”
 

2015年9月5日土曜日

今日のスペイン語(385) 引用句:リンカーン

 エイブラハム・リンカーンの名と、そのゲティスバーグ演説(「人民の、人民による、人民のための政府」)は、米国だけでなく、スペイン語圏の人達にもスペイン語版で知られている。この一節位はスペイン語ですらすらと覚えておきたい。

1 人民の、人民による、人民のための政府
スペイン語 Somos nosotros los que debemos consagrarnos aquí a la gran tarea que aún queda ante nosotros: que… y que el gobierno del pueblo, por el pueblo y para el pueblo no desaparecerá de la Tierra.

(日本語訳) いまここで、我々に残された偉大な事業に身を捧げるべきなのは、我々自身なのです。それらの事業というのは、、そして人民の、人民による、人民のための政府が地上から消えないようにすることです

(解説)ご存じのゲティスバーグ演説は、南北戦争中の1863年、ゲティスバーグの戦い後に戦没者を追悼する式典でリンカーンが行った、短い演説である。「人民による」は、生き残った自分達が達成すべき4つの課題のうちの一つとして言及されている。
 なお、pueblo(people)を「人民」と訳すのは共産主義的臭いがしてあまり気が進まないのだが、人口に膾炙した訳なのでそのまま使った。今の日本語では、「人々」とか「市民」に近いニュアンスだと思う。

2 責任
(スペイン語) No puedes escapar de la responsabilidad de mañana aunque puedas evadirla hoy.

(日本語訳) 今日、責任から逃れられても、明日は逃れることはできない。
3 欺瞞
(スペイン語) Podrás engañar a todos durante algún tiempo; podrás engañar a alguien siempre; pero no podrás engañar siempre a todos.

(日本語訳)皆を短い間だますことは出来るだろう、誰かをずっとだまし続けることも出来るだろう、しかし皆をずっとだまし続けることは出来ない。

2015年9月3日木曜日

今日のスペイン語(384) 引用句:アリストテレス

 ソクラテスとプラトンの引用句を紹介してきたので、アリストテレスの言葉にも触れない訳にはいかない。これら古代ギリシャ3賢人の言葉を駆使すれば、必ずや尊敬の的となるであろう。なお、アリストテレスは、スペイン語で“Aristóteles”。アクセントの位置に注意しよう。

1 知識と実践
(スペイン語) La inteligencia consiste no sólo en el conocimiento, sino también en la destreza de aplicar los conocimientos en la práctica.

(日本語) 知性とは、知識だけでなく、それを実際に活用する技を持つことである。

(解説)頭でっかちの知識は役に立たないということ。日本でも「畳の上の水練」という。

2 分かり易い話し方
(スペイン語) Piensa como piensan los sabios, mas habla como habla la gente sencilla.

(日本語) 賢者のように考えよ、しかし市井の人々のように話せ。

(解説)アリストテレスの言う通り、人に理解してもらうのが会話の目的なのだから、相手の言葉で喋らないと意味がないのは当然である。しかし、実際にはなかなか難しい。
 “mas”は古いスペイン語で「しかし」(pero)の意味。

4 人の性格と行動
(スペイン語) Nuestro carácter es el resultado de nuestra conducta.

(日本語) 私達の性格は、私達の行動の結果である。

(解説) 人の性格がその行いに現れる、と考えがちだが、アリストテレスは逆だと言う。よく考えるとその通りで、行いを積み重ねれば、それが本性になっていく。本人は真面目なつもりでも、実際に勉学を怠っていれば怠け者になってしまう。日本の教育で「躾」が重視されるのと同じ。


5 真の豊かさ
(スペイン語) La riqueza consiste mucho más en el disfrute que en la posesión.

(日本語)  豊かさは、所有することよりも、(所有するものを)楽しむことにある。

(解説) この飽食の時代にこそ、深く心に響く言葉である。