(スペイン語)
Dice una mujer a su marido:“Hay que ver, que llevamos 30 años casados y no me has comprado nada.”
Y el marido respnde:
“Es que no sabía que vendías algo.”
(日本語訳)
妻が夫に、「あなたねえ、結婚して30年になるのに、何も買ってくれないのね。」
夫が答えて言うには、
「おまえ、何か売ってたの?知らなかったよ。」
(解説)
日本語に直すと、ジョークとして理解するのが難しくなってしまうのが辛いところ。文法的に解説すると、meという間接補語の意味するところが、妻と夫では理解が異なったという話。いや、夫の方が、文法を盾にして敢えて異なる理解をしたということか。
comprarの直接補語(nada、algo)は、売買の対象となる「何」かを意味している。妻にとっては、例えばダイヤモンドとか毛皮のコートだろうか。一方、第一文の間接補語はme(妻)。この間接補語が、我々日本人にとって時に厄介である。敢えて訳せば「~のために」の対象者であり、言わばcomprarという行為の反射的利益を得る者である。妻(me)が、comprar(買う)という行為の反射的利益を受ける者であるというところまでは、夫婦の間に理解の相違はない。しかし、その利益とは、「夫が何かを自分にプレゼントするために買ってくれる」ことによって得られるというのが、妻の言い分。「妻が何かを売る商売をしていて、それを夫が買うことによって妻に利益が生じる」というのが夫の言い分。文法的にはいずれの解釈も正しい。
尤も、文脈上も常識的にも、夫が苦しい言い逃れを試みているのは明らかで、こんな言い訳が通らないのは、スペイン語圏でも日本でも同様である。こういう言い逃れをすると、火に油を注ぐことになる、というのが今日の教訓(moraleja)でした。
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