2015年2月6日金曜日

今日のスペイン語(263)  GREXIT

 前回、ギリシャの経済再建・債務返済について記事を載せたが、2年ほど前に生まれた新しい単語(GREXIT)が再び紙面をにぎわすようになってきた。経済関係者には必須の単語。ここでは実際の使用例を見よう。(但し、今回の ギリシャ総選挙に先立つ1月初旬の記事。)

 
(スペイン語)
 La posible salida de Grecia de la zona euro ha vuelto a saltar al debate europeo, pero desde Bruselas se ha querido zanjar con celeridad. La posición de la Comisión Europea es mantener a todos sus socios dentro de la moneda única y más aún después de que se haya sumado recientemente Lituania como nuevo miembro. Como muestra de fortaleza, los principales partidos europeos tampoco dudaron en respaldar esta postura para alejar el fantasma del «Grexit». (http://www.larazon.es/detalle_normal/noticias/8337244/internacional/la-ue-cierra-filas-para-alejar-el-fantasma-del-grexit#.Ttt1lNsCcJVikCj

 

(日本語訳)
 ギリシャのユーロ圏離脱の可能性が再び議論されるようになったが、ブリュッセルは早くこの議論に決着をつけたがっている。欧州委員会の立場は、特に最近リトアニアが新たにユーロ圏に加わった現在、ユーロ圏の全てのメンバーを維持することである。この立場を強める観点から、欧州の主要政党はGrexit」という亡霊を追い払うために、連帯してこの(欧州委員会の)立場に躊躇なく支持を表明した。


(解説)
1 Grexitとは、ギリシャがユーロから脱退すること。ギリシャ危機に際してメディアが使い始めた単語。言うまでもなく、Greeceexitをくっつけた造語。

2 “el fantasma de Grexit”という表現は、おそらくマルクス(Karl Marx)とエンゲルス(Friedrich Engels)による「共産党宣言」(1848年)の有名なフレーズを拝借したものと思う。“Un fantasma recorre Europa, el fantasma del comunismo.”(欧州を亡霊が徘徊している。共産主義という亡霊である。)欧州の知識人なら誰でも(共産党宣言を読んだことのない人でも)知っている、このフレーズも是非覚えておこう。

3 本稿を書いている2月6日現在、ギリシャ新政権も欧州関係者もGrexitを望んでいないと言いつつも、出口が見えていない。ギリシャのみでなく、対ギリシャ債権を抱える欧州金融機関、ユーロ圏そしてEUそのものの将来像に大きな影響を与えるだけに、世界のビジネスは今後も事態の推移を注視していかざるを得ないであろう。

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