2015年3月17日火曜日

今日のスペイン語(287)  聖パトリック・デー

 3月17日は聖パトリック・デー。聖パトリックはアイルランドの守護聖人なので、アイルランドは勿論、アイリッシュの多い米国でも大変なお祭りになることは良く知られている。その昔ブエノスアイレスに住んでいた時、職場近くのバーを中心として、街中が緑の服で着飾った人達で一杯になり、皆がビールを飲んで楽しそうに盛り上がっているのに驚いた経験がある。

(スペイン語)
 Como viene sucediendo en los últimos años, con la llegada de la segunda quincena de marzo la ciudad de Buenos Aires se teñirá de verde. Es que miles de sus habitantes aprovecharán el aniversario de la muerte de San Patricio, patrono de Irlanda, para salir a festejar en su honor.

Tal vez, para muchos, lo importante no será saber quién fue este hombre nacido hace más de 1600 años en Gran Bretaña, que a temprana edad fue secuestrado y llevado a trabajar como esclavo a la isla de Irlanda. Ni tampoco que, tras recuperar su libertad y retornar a su tierra natal, decidió volver al lugar de su cautiverio con el título de obispo para predicar el catolicismo, antes de morir un 17 de marzo del año 493.

La realidad es que San Patricio será esta semana, para muchos, sólo una excusa. Una razón para aprovecharse de las múltiples propuestas festivas que se encontrarán en la ciudad de Buenos Aires. (http://www.lanacion.com.ar/1776147-cervezas-comida-irlandesa-y-prendas-verdes-en-honor-a-san-patricio)

(日本語訳)
 (今年も)ここ数年間と同様に、ブエノスアイレスは3月後半に入ると、グリーンに染まるだろう。数千人もの市民がアイルランドの守護聖人である聖パトリックの命日に、これを祝って街へ繰り出すからである。

英国で1600年以上前に生まれ、若い頃に拉致されてアイルランド島に連れて行かれ、奴隷として働かされた、この人物が誰であったか、多くの人にとってそれは大事なことではない。自由を取り戻して生まれ故郷に帰還した後、司教としてカトリックの教えを説くために、かつて自分が監禁されていた地に戻り、西暦493年の3月17日に亡くなった、ということも、大事ではないのであろう。

本当のところ、今週、多くの人にとって聖パトリックは、いわば「口実」となるに過ぎない。ブエノスアイレスの街で行われる多くのお祭りをするために活用される「口実」である。

(解説)
1 聖パトリックはスペイン語ではSan Patricio。上記の通り、4世紀から5世紀にかけての人で、アイルランドにカトリックを普及させた聖人として、キリスト教の世界で知らぬ人はいない。なお、カトリック諸国では、国、地方、市や村ごとに守護聖人がいて、その「守護聖人の日」が祝日となったり、盛大なお祭りが行われることが多い。例えばブエノスアイレスはSan Martín de Tours, マドリードはSan Isidro

2 今では世界の多くの国で3月17日の聖パトリック・デーを祝うが、アルゼンチンも、次のような事情で特に盛大と言われる。
(1)    アルゼンチンにはおよそ200万人のアイルランド系移民がいる。(世界で5番目のアイルランド人移民先と言われる。)アルゼンチンの歴史に必ず出て来るAlmirante Brownは、国を守り海軍を創設した偉人として、街路の名等随所に名を残している。

(2)    アイルランドもアルゼンチンも、人口の大多数がカトリック教徒である。ご存じのように現在のローマ法王はアルゼンチン出身のFranciscoである。

(3)    アイルランドとアルゼンチンには、英国に対する「特別な感情」を共有する人が多い。アイルランドは英国支配下の圧政、アルゼンチンはマルビーナス諸島(Islas Malvinas。英語名Falkland Islands)紛争が、その背景にある。

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