2015年3月24日火曜日

今日のスペイン語(290)  ラテン語表現 modus vivendi

 スペインの学校ではラテン語が必修なので、大人達はある程度のラテン語知識があり、普通の人達が書く文章や会話の中に時々ラテン語が混じる。よく使われるラテン語のフレーズは覚えておくのがよい。最近読んだ本で、実際に使われているラテン語のフレーズを、実例とともにいくつか拾ったので、是非覚えておこう。ここで引用するのは、“La Battalla de Gibraltar, Cómo se ganó, cómo se perdió. José María Carrascal, 2012, Editorial ACTAS”。

modus vivendi

1 意味: ①妥協、②生活様式

2 例文: El final del siglo XIX marca una situación estabilizada en tierra por la política de hechos consumados practicada por los ingleses y de forcejeo en la Bahía de Algeciras, no cedida en Utrecht, que había conducido a un inestable modus vivendi, consistente en dividr dichas aguas por la mitad, pero con jurisdicción de los aduaneros españoles...

3 大意: 19世紀末には、(ジブラルタルの)陸上部分では、英国側が(事をガチンコ勝負で性急に動かすのでなく)既成事実を積み重ねていく政策を採っていたため、状況は落ち着いていた。一方、ユトレヒト条約で(英国に)割譲されていない(筈の)アルヘシラス湾では抗争があり、これがこの水域を(スペインと英国で)二分するがスペイン側税関の管轄下にある、という不安定な「妥協」に繋がることとなった......

4 解説: ジブラルタルはスペイン南部のジブラルタル海峡に位置し、南に突き出した小さな半島で、1713年のユトレヒト条約でスペインから英国に割譲されたが、陸でも海でも具体的に「どこまで」割譲されたのかについて議論がある。条約の文面を見れば割譲された水域は「港」”su puerto”のみであって、周辺の海域は全てスペインの主権に属するというのがスペインの主張。それにもかかわらず、隣接するアルヘシラス湾にまで英国船舶が出張って活動しているという既成事実があったため、19世紀末には、事実上、あたかも双方が妥協して湾内の水域を両国で半分ずつ分けたような状態になっていた、という文脈である。

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