2015年4月25日土曜日

今日のスペイン語(311)  ラテン語表現 ipso facto

 ラテン語表現の続き。オルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」に出てくる頻出ラテン語表現。

(スペイン語)
  El hombre-masa cree que la civilización en que ha nacido y que usa es tan espontánea y primigenia como la naturaleza, e ipso facto se convierte en primitivo.Ortega y Gasset、“La Rebellión de las Masas”第10章)

 
(日本語訳)
  大衆人は、自分がそこに生まれ利用している文明が、自然と同様、独りでに発生した原生的なものと思っており、そのこと故に、原始的になってしまっている。

(解説)
 “ipso facto”は、スペイン語に直すと“por este hecho”で、「この事実により」、「このこと自体により」の意味。本来「文明」は、放っておいて自然に発生するのでなく、人間が作り出し、人間の不断の努力によって維持すべきものなのに、大衆は、それに気づかず、「文明は」何の労苦もなく目の前に置いてある(空気のような)ものだ、と信じている、そんなことを信じていること自体からして、原始人のように原始的だ、というのが例文の趣旨。

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