2014年10月18日土曜日

今日のスペイン語(205)  台風

 最近、大型の台風18号と19号が続けて日本に上陸し、スペイン語圏のニュースでもその様子が伝えられた。台風関係のスペイン語を覗いてみよう。 

(スペイン語)
 Japón hace frente al paso del Tifón Vongfong. El temporal se ha desplazado lentamente hacia las islas de la prefectura de Okinawa, al sur del país.

(日本語訳)
 日本では台風ヴォンフォンの通過に向けた準備をしている。この台風は、日本の南にある沖縄県の諸島に向けてゆっくりと移動している。


(解説)
1 日本に襲来する「台風」を、スペイン語では“tifón”と呼ぶ。いわゆる「台風」というと、他に“huracán, ciclón”も耳にするが、凡そ次のような使い分けがされている。

―“huracán”:大規模で強烈な暴風雨、即ち台風一般。また、特に中米やカリブでの台風を指すこともある。

―“ciclón”:特に中米やカリブの“huracán”を指すことが多い。中南米の新聞で、或る台風が同じ記事の中で“Ciclón Stan, Huracán Stan の二つの名で書かれていた。

―“tifón”:東アジアで発生する台風即ち“huracán”。


2 この他、文章中に現れる“temporal”の他、“tormenta, borrasca, torbellino, tempestad”といった単語もよく耳にするが、上記の3語のように広い地域や複数の国々を次々と襲う大規模なものというより、相対的に小規模な暴風雨とか嵐を連想させる単語である。“temporal”が本文で使われたのは、単にスペイン語の癖で、同じ単語の繰り返しを好まない、という理由。うち、“borrasca”と“tempestad”は特に海での暴風雨のイメージである。


3 台風19号がVongfongという、聞きなれない呼称だったので、気象庁のホームページを調べてみた。アジア諸国の政府が参加する「台風委員会」で、各国から提案された140の名前が番号順に並んでおり、発生する台風毎にその名前を順々に付していくという。今年の台風18号はPhanfone、19号はVongfongの順にあたり、次の台風はNuriと命名されることがもう決まっている。我々の地域では毎年20個強の台風が発生するので、凡そ5年毎に同じ名前の台風がやってくることになる。ちなみに、Phanfoneはラオスの動物の名前、Vongfongはマカオによる命名でスズメバチの意味、次に来るNuriはマレー語でオウムを意味するらしい。

4 個人的感想であるが、台風は必ず災害をもたらすので、台風に名前を付ける慣習には昔から抵抗を感じている。個人名(例えば2005年のHurricane Katrina)でも動物名(140の中には日本の提案したウサギとかヤギが入っている)でも、本人達にとっては、迷惑な話だと思うのだが。

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