2014年10月23日木曜日

今日のスペイン語(210)  エボラ対策

 米国やスペインでエボラ出血熱の二次感染が問題になっている。仮に今後世界中に広がり、日本にも上陸してきたら、国民生活、経済、安全保障に大きな影響が出るだろう。そうなった時のことを想定して、ここでは特に基本的人権とあり得べき各種措置との葛藤をネタに、問題提起をしてみた。スペイン語の上級者は、これを参考にして、スペイン語圏の友人と議論してはどうだろうか。

(スペイン語)

En una sociedad democrática como la nuestra, los derechos individuales y las libertades civiles merecen respeto absoluto, pero con la propagación de una amenaza particularmente peligrosa, pienso que deberían tomar medidas excepcionales. ¿Por qué no considerar lo siguiente de antemano?:

1.   Privacidad
 Cuando hablamos de la fiebre hemorrágica del Ébola, una enfermedad que mata al 70 por ciento de los infectados, el rastreo de contactos es la clave para detenerla. ¿Qué otra cosa se puede hacer para alertar a los vecinos que pudieron haber tenido contacto con la persona infectada, si no se libera su identidad?


2.   Cuarentena
 Si las personas que han tenido contacto cercano con el paciente (médicos, enfermeras,...etc.) toman trenes, caminan tranquilamente por la calle, estrechan manos y transmiten la epidemia a miles de otras personas, ¿qué va a pasar? ¿Sería excesivo restringir el movimiento de los médicos y enfermeras para que no propaguen la epidemia?

 
3 Evacuación
 Los pacientes querrán ser tratados en hospitales cerca de su casa, pero esos hospitales no tienen la experiencia, la capacitación, el entrenamiento y el equipamiento adecuado, y pueden cometer errores como hemos visto en los Estados Unidos y España. ¿No debería ser evacuado de su pueblo a unos centros de aislamiento especializado, donde por lo menos saben cómo prevenir el contagio?


4.   Prohibiciones de viaje
 British Airways ya ha cancelado todos los vuelos a los países afectados en el África occidental.  ¿No se podría prohibir el movimiento de personas a/de los países infectados con una excepción para los trabajadores de la salud, que contratarían sus vuelos y se monitorearían sus movimientos hasta 21 días después de su regreso a casa?

 
(日本語)
 私たちの民主主義社会では、個人の権利と市民的自由は絶対的に尊重されている。しかし、特に危険な脅威に直面した場合には、異例の措置を採らなければならないだろう。前もって、次のことを考慮しておくべきではなかろうか?:

1プライバシー
 感染者の70%が死に至るエボラのような病気を止める鍵は、接触者の追跡である。感染者と接触したかもしれない人々に警告することである。そのためには、感染者の氏名を公表する以外の手はあるのだろうか?

2 検疫(関係者の移動制限)
 患者と密接な接触をした人(医師、看護師等)が電車に乗り、普通に道を歩き、人と握手し、そして病気を蔓延させたらどうなるのか? このような医師や看護師の移動を制限するのは、やり過ぎだろうか?

3 強制的隔離
 患者は自分の家の近くの病院で治療を受けたいものだが、これらの病院では、適切な経験も訓練も機器もなく、米国とスペインで起こったように、間違いを犯す可能性がある。患者を居住地から、少なくとも感染防止の可能な専門の隔離施設に強制的に移動させることはできないのだろうか? 

4 旅行の禁止
 ブリティッシュ·エアウェイズは、西アフリカの感染国への/からの全てのフライトをキャンセルした。感染国との間で人の移動を原則として禁止し、同時に保健医療従事者のみ、チャーター便での移動と帰国後21日間の監視を条件として例外扱いすることはできないのだろうか。

 
(解説)
 エボラ出血熱というと、米国の小説家Tom Clancy Executive Orders邦題合衆国崩壊、1996年)が思い起こされる。エボラ・ウィルスがまき散らされる話で、エボラの怖さと究極の対策が鮮烈に描かれている。通常の方法では蔓延を防ぐことが出来ず、またインフルエンザと違って予防策がないことから、尋常ならざる対策を取らざるを得ないというストーリーである。ペーパーバックで700ページ以上の長編だが、一気に読み通させる迫力を持つ作品だった。

エボラが他人事ではなくなった米国では、毎日のように、どうやってエボラに立ち向かうべきかという論調が紙面を賑わせている。本項は、それらを参考にして、究極の場合に予想される具体的な措置を掲げ、広く議論してほしいと考えたものである。

エボラ出血熱については、8月6日にアップした「今日のスペイン語(142) エボラ出血熱」もご参照願いたい。

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