2014年4月17日木曜日

今日のスペイン語(27)  京都議定書

 
 日本が京都議定書の温室効果ガス削減目標を達成したと報道された。環境省のプレスリリースや石原環境大臣の記者会見を元に、役に立ちそうなスペイン語表現を考えてみた。

(日本語) 4月15日、環境省は、地球温暖化への対策として京都議定書で約束した温室効果ガスの削減目標を達成したと発表した。京都議定書では、先進国だけに2008年から2012年にかけて温室効果ガスの排出(1990年比の)削減目標を設定することが義務づけられており、日本は6%削減すると約束していた。日本の環境大臣は、この期間の排出量は森林による吸収分と京都メカニズムクレジットを含め、平均で8.4%の削減になったと述べた。
(スペイン語訳) “El 15 de este mes el Ministerio de Medio Ambiente anunció que Japón ha superado la meta para reducir la emisión de gases de efecto invernadero a la que se comprometió en el Protocolo de Kioto para combatir el calentamiento global. El Protocolo obligaba sólo a los países industrializados a marcar una meta concreta para reducir la emisión de gases de efecto invernadero durante los años 2008-2012. Japón se comprometió a reducir un 6% de la emisión registrada en 1990. El Ministro japonés de Medio Ambiente afirmó que Japón había disminuido sus emisiones un promedio de un 8,4 % , cifra que incluye la cantidad de gases absorbidos por los bosques y el crédito adquirido por los Mecanismos de Kioto.

(解説)
1 京都議定書
 Protocolo de Kioto正式には、Protocolo de Kioto de la Convención Marco de las Naciones Unidas sobre el Cambio Climáticoだが、こんな長い正式名称は滅多に使われない。「気候変動枠組条約」という大枠を定める条約があって、具体的詳細(各国の義務等)を議定書という別の名の条約に委ねるという、国際約束作りのやり方である。京都議定書は1997年に京都での交渉会議で署名され、2005年に発効。議定書に加盟する先進国だけに具体的な温暖化ガス排出削減目標の設定を義務付けている。この数値は国ごとに異なり、日本は6%、EUは(EU全体として)8%、ロシアは0%(要するに、増やさないということ)等である。米国は先進国だが京都議定書に加盟していないので、議定書上の削減義務は負っていない。

 なお、「いつと比べての△6%か」の基準となる年を基準年(año base, base year)という。これは枠組条約上は1990年なのだが、京都議定書では3種類の温暖化ガスについて1995年とすることが認められており、この3種について日本も1995年を基準年としている。(上記の例文では、便宜上1990年比としてあるが。)

 
2 京都メカニズム
 京都議定書では、各国が独自に自国の温室効果ガス排出量を削減する他にも、世界全体としての削減に資するため、いくつかの工夫を取り入れた。排出量取引(Comercio de los Derechos de Emisión)、共同実施(Aplicación Conjunta)、クリーン開発メカニズム(Mecanismo para un Desarrollo Limpio)で、全体として「京都メカニズム」(los Mecanismos de Kioto)と呼ばれる。例えばクリーン開発メカニズムは、先進国が開発途上国に技術や資金を提供した結果、途上国の温室効果ガス排出量が削減され、または(たとえば植林により)ガス吸収量が増えた場合に、その一部を当該先進国の排出量削減としてカウントすることのできるメカニズム。

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