今日の夕刊に、IPCCが報告書を公表したと大きく報道されていたので、気候変動に関するスペイン語を少し紹介。
(日本語)「13日(日)、ベルリンでの1週間にわたる会議を終えた気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、報告書を公表した。同報告書では、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるという国際目標を達成するためには、世界の各国は2050年までに、温室効果ガスの排出量を2010年比で40%から70%削減する必要があるとしている。」
(スペイン語)”El domingo13, el Grupo
Intergubernamental de Expertos sobre el Cambio Climático(IPCC en su sigla
en inglés) publicó su informe tras una semana de reuniones en Berlín. El
informe asegura que las naciones de todo el mundo deben reducir para el año
2050 las emisiones de gases de efecto invernadero entre un 40 % y un 70
% respecto de los niveles de 2010 para cumplir con el objetivo de que las
temperaturas globales no superen 2℃ respecto de los
registrados antes de la Revolución Industrial.”
(解説)
1 IPCCIPCCとは、英語の“Intergovernmental Panel on Climate Change”の略語で、多くの場合スペイン語でも、そのままIPCCと呼ばれている(ただし”イー・ペー・セー・セー“と発音される)。スペイン語版で無理にアルファベットの頭文字を並べると”GIECC“となって、とても発音しにくくなるためだろうか。
IPCCは1988年に設立。国際的な専門家で構成され、地球温暖化についての科学的研究を評価し、調査する機関。IPCCが発表する報告書は国際的な地球温暖化対策を策定するにあたって、大きな影響力を持つ。2007年には機関としてノーベル平和賞を受賞した。現在の議長は、よく新聞に名前や写真の出てくるRajendra Kumar Pachauri(ラジェンドラ・クマール・パチャウリ)氏。
2 温室効果ガス
スペイン語の”gases de efecto invernadero” は英語の “greenhouse gases“を元にして作られた語で、文字通り「温室の効果を持つガス」。この種の新しく生まれる単語は、先ず英語の造語が世界的に流行し、スペイン語や他の言語では英語がそのまま使われるか、英語の直訳的な「新語」が作られることが多い。ご存じの通り、二酸化炭素、メタン等6種類のガスの総称で、地球温暖化の主要な原因というのが、IPCCの評価である。ところで、牛など反芻動物のゲップ(eructo)には大量のメタンガスが含まれており、メタンガスの温暖化に与える影響は二酸化炭素よりも大きいという。最近まで知らなかった。
3 2度(2℃)
日常生活レベルで使われる温度の測り方には、2種類ある。一つはセ氏(Celsius)、もう一つは華氏(Fahrenheit)。米国ではこの華氏が使われているのはご存じのとおり。何しろ2度(℃)の上昇が大変なことになるという話をしているので、ここでも正確にセ氏の2度であることを明確にしてある。ファランハイト温度=セルシウス温度×9÷5+32だから、日本語で30度(セ氏)の猛暑は米国だと86度(華氏)。いかにも暑そう。
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