2014年4月28日月曜日

今日のスペイン語(40)  日米共同声明と尖閣諸島

 4月23日から25日にかけてオバマ米国大統領が訪日した機会に、日米両国は共同声明を発出した。尖閣諸島が日米安全保障条約に基づく米国の防衛義務の対象であると明記された、と報じられているところ、関係部分をスペイン語に訳してみた。

(日本語のオリジナル(抄)) 「米国は,最新鋭の軍事アセットを日本に配備してきており,日米安全保障条約の下でのコミットメントを果たすために必要な全ての能力を提供している。これらのコミットメントは,尖閣諸島を含め,日本の施政の下にある全ての領域に及ぶ。この文脈において,米国は,尖閣諸島に対する日本の施政を損おうとするいかなる一方的な行動にも反対する。」

(スペイン語訳) ”Estados Unidos de América ha desplegado sus equipos más avanzados en Japón y suministra toda la capacidad necesaria para cumplir con sus compromisos del Tratado de Cooperación Mutua y Seguridad entre Estados Unidos y Japón.  Estos compromisos se extienden a todos los territorios de administración japonesa, inclusive las Islas Senkaku. En este contexto, Los Estados Unidos se opone a cualquier acto unilateral que pretenda menoscabar la administración japonesa de estas Islas.”

英語のオリジナル)) ”The United States has deployed its most advanced military assets to Japan and provides all necessary capabilities to meet its commitments under the U.S.-Japan Treaty of Mutual Cooperation and Security. These commitments extend to all the territories under the administration of Japan, including the Senkaku Islands. In that context, the United States opposes any unilateral action that seeks to undermine Japan’s administration of the Senkaku Islands. “

(解説)
1 日米安全保障条約における米国の日本防衛義務は、日本の施政の下にある領域を対象とする旨が、条約第5条に書かれているので、今回の共同声明の記述は、それを再確認したもの。

 共同声明Declaración Conjunta
 元首や行政府の長が外国を訪問し、首脳会談を行った後に、両国の名前で発出される文書。両国の首脳という高いレベルで、しかも一つの言葉で発するものであり、特にそれが、今回のように主要国間の声明の場合には、非常な重みがある。尤も首脳が外国訪問する際に常に発出される訳ではない。英語ではJoint Statement

3 施政の下にある(de administración japonesa)
 文字通り、administrar即ち施政している(管理し、運営し、統治している)領土のことを言う時に使われる表現。

(参考)日米安全保障条約第5条
(日本語) 「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。」

(英語) “Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes. Any such armed attack and all measures taken as a result thereof shall be immediately reported to the Security Council of the United Nations in accordance with the provisions of Article 51 of the Charter. Such measures shall be terminated when the Security Council has taken the measures necessary to restore and maintain international peace and security.”

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