1 復活祭(Pascua)
キリストが十字架にかけられて後、復活したことを記念するキリスト教の行事。スペイン語では復活祭。キリストが復活したのは、毎年、「春分の日(el equinocio)の後、最初の満月(la primera Luna llena)の次の日曜日」と決められている。だから、3月中旬から4月下旬まで、毎年日取りの変わる「変動日付制」である。今年は4月20日(日)、来年は4月5日(日)(カトリックの場合)となる。
2 聖週間(Semana Santa)
復活祭に至るまでの1週間が聖週間であり、各日に特別の名前が付けられている。
―日曜日(Domingo de Ramos)
イエス・キリスト(Jesucristo)がヤシ(palma)の枝(ramos)を手にして、民衆に称えられながらエルサレム(Jerusalén)に入った日。なお、ここではヤシと書いたが、誰もその場面を見たことがないので、持っていたのが何の枝かについては、諸説ある。
―水曜日(Miércoles Santo)
イスカリオテのユダ(Judas de Iscariote)が銀貨30枚で裏切りを引き受けた日。
―木曜日(Jueves Santo)
最後の晩餐(La Última Cena)の日。ミラノにあるレオナルド・ダ・ヴィンチの絵で有名な、あの最後の晩餐である。
―金曜日(Viernes Santo)
イエスの受難(Pasión)の日。イエスは逮捕され、ゴルゴダの丘で磔の刑に処され(Crucificación)、埋葬された(Sepultura)。メル・ギブソン監督の映画「Passion」は、英語でもスペイン語のPasiónと同じく、イエスの受難を意味する言葉。
―土曜日(Sábado Santo)
Vigilia Pascual(復活祭前夜)と呼ばれ、明け方まで夜を徹して翌日のイエス復活を待つ日。
―日曜日(Domingo de Resurrección)
イエスが復活(resurrección)した日。この日が文字通り復活祭。
3 諸行事
聖週間には、ミサの他様々な行事が行われる。
(1)
Procesiones(聖週間の行列)
多くの街で、イエス受難当時の服装をまとった人々が、行列になって当時を再現する。中でも、イエスが十字架を背負ってゴルゴダの丘に登る場面を演じる人が、上半身裸で、鞭打たれ(ている演出をし)つつ、足を引きずって歩く姿は、壮絶である。
(2)
イースター・エッグ(huevos de Pascua)
家庭で、ゆで卵を色とりどりの塗料で飾る。また、野原や坂でこの卵を転がす遊び(rodar el huevo)もある。卵から新たな生命が誕生することから、イエスの復活と関連付けられたとの説もある。またこの時期、チョコレートで出来たイースター・エッグがスーパーの店頭に並ぶ。
(3)
キリスト教関連の映画
聖週間中は、キリスト教に関連する昔の映画がテレビで数多く放映される。「クオ・ヴァディス」(Quo Vadis)、「天地創造」(La Biblia)、「ベン・ハー」(Ben-Hur)、「ナザレのイエス」(Jesús de Nazareth)をはじめ、固めて鑑賞するチャンス。同じキリストものでも、「ジーザスクライスト・スーパースター」(Jesucristo Superstar。舞台を現代に移し、ユダが黒の革ジャンを着ているようなアレンジのミュージカル)、 「最後の誘惑」(La Última Tentación de Cristo。十字架いかけられたイエスが死の直前に人生を振り替えていろいろと思い出す?夢)あたりになると、教会的正しさが微妙なので、この時期には放映していないかも...
(4)
イースター休暇
聖週間中、多くの会社はまるまる1週間休んでしまうか、半分以上の社員が大型連休をとるので、仕事にならないことを覚悟する必要がある。旅行に出る人も多い。スペイン語圏生活者にとって重要なのは、聖週間中に旅行するために、物凄く早いうちに飛行機やホテルの予約をしておくこと!
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