(日本語)
所得格差を示す日本のジニ係数が過去最大となったと報じられている。が、これについては詳細に分析する必要がありそうだ。
先ず2つのジニ係数を区別する必要がある。一つは当初所得をベースとしたもので、2008年の0.5318から、過去最大の数値である2011年の0.5536に拡大した。もう一つは、当初所得から税や社会保障による所得の再分配をした後の所得を元に計算したもの。こちらは、2008年の0.3758から2011年には0.3791と拡大したものの、増大幅は僅か0.0033であり、また2005年との比較ではむしろ低下しており、長い間殆ど変動していないのが実態である。
当初所得によるジニ係数が拡大したのは、実は、所得のない高齢者が増加したのと、所得の低い単身世帯が増えたことによる。更に、世帯年収1,000万円以上の高額所得世帯が減少していることも考慮すると、実質的な所得格差が拡大していると結論づけるのは難しそうだ。
(スペイン語)
Hay
noticias de que en Japón el coeficiente de Gini, que muestra la desigualdad de ingresos, ha llegado al máximo en la
historia.Pero parece que necesitamos analizar los datos en
detalle.
Ante todo,
hay que distinguir dos tipos del coeficiente de Gini. El primero tiene como base el ingreso inicial,
que subió de 0,5318 en 2008 a 0.5536 en
2011, la cifra más alta de la historia. El segundo tipo del coeficiente se
calcula sobre la base de los ingresos
después de la redistribución de los mismos
a través de la seguridad social y el
impuesto sobre la renta. El último número ha aumentado
apenas en 0,0033, de 0.3758 en 2008 a 0,3791 en
2011, siendo la cifra más baja que la del año 2005. Quiere decir que este
coeficiente ha experimentado pocos cambios durante muchos
años.
La subida
del coeficiente de Gini por la renta inicial se debe principalmente
al aumento de las personas mayores sin
ingresos y de los hogares unipersonales con bajos ingresos. Además los hogares de altos ingresos con más de 10 millones de
yenes se ha reducido. Con todo ello sería dificil concluir que
la desigualdade de ingresos se haya expandido.
(解説)
おしなべてジニ係数が非常に大きいのは途上国で、先進国では、特に所得再分配後のジニ係数は低い。所得再分配がまともな国家の主要な役割なのだから、当初所得ベースのジニ係数より再分配後の係数が小さいのは、当然であり、所得格差の大小を論ずるならば再分配後の数字を見るべきであるのも、言うまでもない。(給与明細に書いてあっても自分の口座に入らず国庫に行ってしまう「所得」など意味がない。逆に、実質的に政府経由で貰っている「収入」がカウントされない係数も、格差を論ずるには無意味である。)
ジニ係数の調査には大変な時間と労力を要するし、各国が自ら調査するので、なかなか同時期の比較は難しい。凡そのところを言えば、OECD諸国では米国が高め、スウェーデン等の北欧が低めで、日本は他の欧州諸国と並んでその間、といったところ。
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