2015年8月3日月曜日

今日のスペイン語(356) 引用句:チェ・ゲバラその1

 エルネスト・ゲバラはアルゼンチンの医者だったが、キューバの体制変革に参画してこれを達成し、その後も革命を目指して世界を歩き、1967年にボリビアで殺された。ベレー帽をかぶったゲバラの姿は、世界中で知られているが、彼の発言の中にも、知る人ぞ知る名言がある。いくつか覚えておけば、どこかで使えるかもしれない。

1 Podrán morir las personas, pero jamás sus ideas.

(日本語訳)人は死んでも、彼の思想は決して消え去ることはない。

(解説)いかにも革命家らしい言葉である。正しい思想は、一人や二人の思想家が死んでも、後世まで残る、と思う位の確信がなければ革命を続けられないのだろう。

2 Si avanzo sígueme, si me detengo empújame, si retrocedo mátame.

(日本語訳)私が前進すればついて来い、私が止まれば背中を押してくれ、私が退却したら私を殺してくれ。

(解説) 重要なのは自分の命でなく、自分達の目標(革命)の成就であるから、その目標に向かってまっしぐらに進むべきであり、万一自分が翻意するようならば、大義に準じて自分を殺して前に進め、強い意図表明である。

3 Prefiero morir de pie, a vivir arrodillado.

(日本語訳)跪いて生きるより、立ち上がって死ぬ方がよい。

(解説)なかなかここまで言い切れる人はいないだろう。ゲバラがどんな状況でこれを言ったのか承知していないが、“morir de pie”は、銃を持ち、怯むことなく前に進む姿であり、“vivir arrodillado”は、敵に屈して頭を垂れ許しを願って恥辱のうちに生きのびる、というイメージが目に浮かぶようだ。

 エルネスト・ゲバラ(Ernesto Rafael Guevara de la Serna)は、1928年にアルゼンチンの裕福な家庭に誕生。医師。若い頃に南米諸国を旅して貧富の差を実感、キューバに渡って革命を成功に導いたが、その後もコンゴ、チェコ、ボリビアと革命家としての人生を続け、1967年に殺害された。チェ・ゲバラの名が有名だが、チェ(Che)はアルゼンチンで「よお」、「お前」という際の呼びかけ。これが愛称として定着したもの。

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