2015年8月19日水曜日

今日のスペイン語(374) ジョーク:避暑地

 暑い夏、金持ちの人々は長期休暇をとって、軽井沢やスイス・アルプスの山奥など、涼しいところに長期滞在する。避暑とは、本来このように優雅な旅のことであった。そういうお金持ちが、成金と会話すると...

(スペイン語)
--Nosotros, este año, iremos a veranear a Baden-Baden  -dice un señor.
--Pues nosotros, a Benidorm-Benidorm  - le replica un nuevo rico.

(日本語訳)
 ある紳士が、「今年、私達はバーデン・バーデン避暑に行くんです。」
 成金がこれに答えて、「えー、私共はベニドルム・ベニドルムですよ。」

(解説)
1 “veranear”は「避暑に行く」。“ir de veraneo”とも言う。お察しの通り  verano”(夏)から来た単語。

2 “nuevo rico”は文字通り新たに金持ちになった人、つまり成金のこと。スペイン語でも日本語の成金と同様、侮蔑的なニュアンスである。

2 Baden-Badenはドイツの有名な温泉保有地で、世界中から金持ちが集まる。スペインから見ると、バーデン・バーデンに避暑にいくのは、ハイソな金持ちであることを示すステータス・シンボルである。なお、badenはドイツ語で「入浴する」の意味で、スイスのチューリヒ近郊にもBadenという名の温泉地がある。

 一方のBenidormはスペインのAlicanteにある海辺のリゾート地。スペインだけでなく北ヨーロッパからの観光客も多いが、大金持ち専用というイメージではなく、庶民にも人気のある観光地。

 このジョークは、とかく虚勢を張りたがる成金的発想で、Benidormを二回続けて言えば避暑地の「格」がBaden-Baden並みに上がると思ったところにある。

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