2014年7月22日火曜日

今日のスペイン語(126) 聖書の言葉

 日本語でもスペイン語でも、教養ある人達の会話では、古典からの引用句が頻繁に使われる。スペイン語圏の国々にはカトリック教徒が多く、旧約・新約聖書の言葉が、いわば当然のボキャブラリーとして彼らの頭の中に入っている。意外なことに、中には、日本語にも同様の表現を持つ名句もある。今日はまず次の聖書の言葉を覚えよう。仕事で困難にぶつかった時、この一言で事態の打開に向けて道が開かれるか、少なくともスペイン語圏の人達から、貴方の高い教養を評価されることであろう。

 
(スペイン語版聖書の言葉)
“...nos gloriamos hasta en las tribulaciones, sabiendo que la tribulación engendra la paciencia; la paciencia, virtud probada; la virtud probada, esperanza,”

 
(直訳)
 「……(私たちは)艱難さえも喜びます。艱難が忍耐を生み出し、忍耐は確かな徳を生み出し、確かな徳が希望を生み出すことを知っているからです。」

 
(解説)
 昨日、家の片づけ中に、「あなたもスペイン語通訳になれる」(拙著。2007年、財団法人日本スペイン協会発行)がダンボール箱から出てきたのでページをめくっていたら、「艱難汝を玉にす」という諺のエピソ-ドを書いた箇所に再会した。通訳者たるもの、諺などの一般教養も知っておくべしと、私自身の恥ずかしい経験とともに記したのであった。(詳しくは本著23ページをご参照。)この本では ”Las adversidades forman al hombre sabio.”という、聖書の文脈とは異なる、別の諺に訳した。
 

 その後、どこかで似た話を耳にしたような気がしていたが、斜め読みした新約聖書で出会った言葉だったと思い出した。

なお、冒頭に引用した句は、新約聖書の「ローマ人への手紙」(Epístola a los Romanos)第5章第3節にある。

なお、3月27日付け本ブログ(アドルフォ・スアレス語録)にも、「マタイによる福音書」からの引用があるので、これもご参照願いたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿