2014年7月1日火曜日

今日のスペイン語(106)  安楽死

 先週のスペイン紙に、フランスの安楽死問題が小さく報道されていた。欧州ではベネルックス諸国のように安楽死を合法化した国もあれば反対論の強い国もあるが、個人の宗教観と深く関係する問題だけに何か事が起こる度に相当の議論となる。今日はその記事の冒頭部分のみ紹介したい。


(スペイン語) El Consejo de Estado francés, la mayor instancia judicial administrativa del país, se ha pronunciado a favor de la eutanasia pasiva de Vicent Lambert, un tetrapléjico de 38 años en estado vegetativo crónico. Los 17 magistrados anulan un fallo judicial anterior, que se oponía a la decisión de los médicos de dejar de alimentar artificialmente al paciente. La decisión reaviva el debate en torno a la eutanasia, pendiente de una nueva legislación prometida por el presidente, François Hollande, durante la campaña electoral de 2012.”(以下略)(http://sociedad.elpais.com/sociedad/2014/06/24/actualidad/1403621945_488658.html

 
(日本語訳)
 フランスの国務院(行政訴訟に関わる最終審)は、頸髄損傷のため慢性的植物状態にあるヴィサン・ランベール氏(38歳)に対する消極的安楽死を認めた。下級審では、ランベール氏への人工的な栄養供給を停止するという医師団の決定は認められなかったが、今回、国務院の17名の判事はこの判決を無効とした。フランソワ・オランド大統領は2012年の大統領選挙期間中に、(安楽死に関する)新法の制定を約束したが実現していないところ、今回の決定により、安楽死をめぐる議論が再び活発になっている。

 
(解説)
1 “eutanasia”は安楽死。本文中の“eutanasia pasiva”(消極的安楽死)は、栄養の供与を止めるとか、人工呼吸器を外す等、現在行われている治療を止めることによって死をもたらすこと。 eutanasia activa”は、薬物を投与する等の行為によって死をもたらすこと。

2 冒頭に、ベネルクス3国が安楽死を合法化していると書いたが、この2月にはベルギーで、子供の安楽死を認める法案が議会で可決され、大きな社会問題となったことは記憶に新しい。議論はまだまだ決着していない。

 

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