2014年7月7日月曜日

今日のスペイン語(111)  都市伝説

 都市伝説とは、「近現代に作られた、真偽不明の話」と言われている。「先週渋谷で、亡くなった筈のマイケル・ジャクソンを見かけたよ」とか、「駅前の電話ボックスに入った人は必ず行方不明になるんだってさ」といった、オカルトめいたものから、信憑性の高そうな話まで、ジャンルは広い。スペイン語圏でも文字通り“leyenda urbana”と呼ばれ、実に多くの話が語られている。今日は、最近ネットで見つけた、「ありそうな」類の都市伝説を読んでみよう。

(スペイン語)“La leyenda del buen samaritano. Esta historia arranca cuando una familia de clase media, de cualquier ciudad, le roban un coche. Tras poner la correspondiente denuncia, al cabo de dos semanas, suelen recibir una carta al domicilio que dice más o menos esto: Estimado Señor,  Ante todo pedirle mil disculpas por el robo de su coche. Yo tan solo lo tomé prestado ante una situación, que de verdad le prometo que era de vida o muerte. Le ruego sepa perdonármelo.  El coche está aparcado en la calle (la que sea), con el depósito lleno y recién lavado.  De verdad espero que pueda entender como una persona ante una situación límite puede actuar como yo lo he hecho.  Para pedirle perdón le remito junto con esta carta dos invitaciones para que acuda usted y su esposa, a la representación de Rigoletto, que tendrá lugar en el Teatro Real el próximo jueves.  Espero acepte este presente y pueda perdonar mi falta. Atentamente, Un arrepentido.  El matrimonio cuando recibe esta carta pues se alegra de que todavía existan personas así en el mundo y por supuesto acepta e intenta corresponder a esa especie de gratitud del ladrón arrepentido y, cómo no, se van el jueves siguiente al teatro a ver Rigoletto. ¿Qué ocurre? Pues que cuando vuelven a casa después de la ópera descubren que su casa ha sido desvalijada por unos ladrones.  La policía les dice que este es un método usado por los ladrones para asegurarse que la casa está vacía durante el robo.
http://www.taringa.net/posts/info/11000830/Las-10-Leyendas-Urbanas-Mas-Famosas-Del-Mundo.html
(日本語訳)
 善きサマリア人の伝説。話は、中産階級の家族(どの町でもかまわない)が自動車を盗まれるところから始まる。しかるべく盗難届を出してから約2週間経つと、自宅におおよそ次のような内容の手紙が届く。

「拝啓 まず何よりも、貴方の自動車盗難についてお詫びを申し上げます。実は、真に生死にかかわる状況が生じたため、自動車を一時的にお借りしただけなのです。どうぞお許し下さい。

 自動車は○○通りに駐車してあります。ガソリンは満タンで、洗車したばかりです。

 極限状況にある時、人は、私がやってしまったような行動に走ってしまうことをご理解いただけるよう、お願いいたします。

 お詫びの印に、来週木曜日に王立劇場で上演される(オペラ)リゴレットの招待状を、貴兄及び奥様のため、2枚同封いたします。

 本書状の事情をご了解いただき、私の過ちをお許し下さいますよう。

                              敬具

後悔せし者より」

 夫妻は、この手紙を受け取って、このような人が世の中にまだいるのかと知って感じ入り、この悔い改める泥棒の好意を受け入れ、これに応じることとした。もちろん、翌週木曜日には劇場でリゴレットを鑑賞した。何が起こったかって?オペラが終わって帰宅すると、泥棒達のおかげで家が空っぽにされていた。

 警察が言うには、これは、盗みに入る間、家に誰もいないようにするため、泥棒達が使う手口とのことだった。

 
(解説)
1 日本でもスペインでも、都市伝説の人気は非常に高い。会食の時、友人達とバーで懇談する時、ジョークと並んで、一つか二つは披露できるように準備しておくことをお薦めする。日本では、怖い話(「髪の濡れた女性をタクシーに乗せたら、途中で消えていた」的な伝説)が多いようだが、私の知る限り、スペインでは、どちらかと言うと、上に記したような類の都市伝説を良く耳にする。

2 ”buen samaritano”とは、聖書から取ったタイトル。困っている人を助ける憐み深い人という意味。リオデジャネイロのHospital Samaritanoに行って頭痛の原因を調べてもらったことがあるが、あまり助けにならなかった。都市伝説とは関係ないけれど、念のため。

 

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