今日はまずカタルーニャの名前をいくつか覚えよう。以下、括弧内はスペイン語(castellano)、続いて、そこそこ近い日本語の発音。下行にはその名を持つカタルーニャの有名人。
―Antoni (Antonio)(アントニ)
聖家族教会等で有名な建築家Antoni Gaudí。
―Carme (Carmen)(カルマ)
スペインの前政権下で防衛大臣を務めたCarme Chacón。「カルメ」でなく「カルマ」に近いように聞こえる。
―Ferrán (Fernando)(フェラン)
Costa
Bravaの超有名なレストランEl Bulliの料理長、Ferrán
Adrià。なおEl Bulliは最短でも2年前の予約が必要という。
―Jordi (Jorge)(ジョルディ)
4月23日(本の日)の項で説明したサン・ジョルディ。
―Pau (Pablo)(パウ)
チェロの名演奏家Pau Casals。Lakersのバスケットボール選手Pau Gasol。(昨年たまたまブエノスアイレスの空港であいさつする機会があったが、身長213cmの彼は、本当に大きい。真上を向いて話をするようで、首が疲れた。)
日本橋のスペイン・レストランSan PauもこのPau。
―Xavier (Javier)(シャビエル)
今年のFIFAワールドカップではスペインは一次リーグ敗退してしまったが、チームのMFとして活躍したXavi Hernández。
―Joan (Juan)(ジョアン)
スペイン抽象画の大家Joan Miró。
―Josep (José)(ジュゼップ)
F.C.Barcelona
の監督として長年活躍した後現在はバイエルン・ミュンヘンの監督となったJosep Guardiola。「ジュゼップ」に聞こえる。
(解説)
1 以上の他にも沢山カタルーニャ語ならではの名前があるので、新しい名前の方と知り合いになる都度、本人にスペリングや発音を確認するのが望ましい。
2 ファーストネームだけでなく、苗字も独特である。上に記した苗字の他にも、Balaguer、Bosh、Bruguera、
Busquets、Puig(プッチ)等、実に多い。なお、テニス選手のRafael Nadalはカタルーニャ文化圏のMallorca島出身だが、このNadalの最初のaにアクセントを置くのは誤りで、2番目のaにアクセントがある。テレビのテニス解説者に騙されてはいけない。「ギョエテとは、俺のことかとゲーテ云い。」にならないよう。
3 かつてアルゼンチン勤務時、複雑な体験をした。書店で、「アルゼンチンの作家Manuel Puig(プッチ)の本はどの辺に置いていますか?」と聞いたら、一向に要領を得ない。「蜘蛛女のキス」の著者として世界的に有名なPuigを、何故ブエノスアイレスの本屋が知らないのか、と不思議に思ったが、実はPuigの祖先がカタルーニャからアルゼンチンに移住した頃は「プッチ」だったのが、時を経て、アルゼンチンの社会で「プイグ」の名で著名になったのであった。