2014年6月21日土曜日

今日のスペイン語(95)  債務不履行

 ここ数日、アルゼンチンの債務問題が再び紙上を賑わせている。先ずは新聞記事を読んでみよう。

(スペイン語) “La calificadora de riesgo Standard & Poor's bajó hoy la nota de la deuda soberana de Argentina y la colocó en "perspectiva negativa", después de que el Supremo de los Estados Unidos fallara en contra del país suramericano en un litigio entablado por fondos de inversión.
 La agencia dijo en un comunicado que su nota para la deuda soberana argentina a largo plazo en moneda extranjera fue rebajada a "CCC-" desde "CCC+".
 "La decisión del Tribunal Supremo eleva el riesgo de interrupciones de pago de la deuda soberana en moneda extranjera a los tenedores de bonos bajo la ley de Nueva York", sostuvo la calificadora.
 La Corte Suprema de Estados Unidos resolvió este lunes rechazar la apelación presentada por Argentina en un litigio entablado en Nueva York por fondos de inversión que reclaman a Buenos Aires el pago de bonos por unos 1.500 millones de dólares, en cese de pagos desde 2001 y que no ingresaron en los canjes de 2005 y 2010. “(以下略)(6月17日付ABC紙。http://www.abc.es/economia/20140617/abci-standard-poor-rebaja-nota-201406172216.html


(日本語訳)
本日、リスク評価会社のスタンダード・アンド・プアーズ社は、米国の最高裁判所が、投資ファンドの提起した訴訟でアルゼンチンの主張を否定する決定を下したことから、アルゼンチン国債の評価を引き下げて「ネガティヴな見通し」(注:格付けCCCでも今後の見通しを、かつての+からー:格付けが下方に向かう可能性あり、に引き下げた)とした。

同社はそのコミュニケの中で、アルゼンチンの外貨建て長期国債格付けをCCC+からCCC-に引き下げたと発表した。

同社は「米国最高裁判所の決定により、ニューヨーク州法下で債権を保持する債権者に対する外貨建て国債の債務が不履行となる危険が高まった。」としている。

2005年及び2010年の債務再編計画に参加せずに、アルゼンチンに対して15億ドル(ママ)の支払いを求めている投資ファンドがニューヨークで提起した訴訟において、アルゼンチンの上告を却下した。


(解説)
1 アルゼンチンは今世紀初めの経済危機時、2つの対外債務問題を抱えていた。一つは外国の公的機関に対する債務で、当時の総額約60億ドル。もう一つは、外国の個人・機関投資家に対する債務(アルゼンチンの国債の元本・利子)で、こちらは約1,000億ドル。前者は先日、パリクラブで債務再編の大枠が合意されたところ(5月30日付け本ブログ参照)。後者は、2005年と2010年の2回にわたって、93%の債権者との間で、債務の約7割を削減する再編計画について合意したが、残りの債権者はこれに納得せず、米国の裁判所に訴えて、下級審でアルゼンチンの全額返済という判決を勝ち取っていた。この16日、米国最高裁判所が、アルゼンチン側の上告を却下したため、アルゼンチン政府に最大で約150億ドルの支払い義務が生じたという経緯がある。
 現在、新たな債務再編案などの解決策が模索されているらしいが、巨額の支払いが出来なければ、また債務不履行に至るのではないか、と市場で懸念されている。

2 「債務不履行」は、日本語でも英語でも通常デフォルト(default)と呼んでいる。スペイン語では、そのままdefaultと言うこともあれば、“suspensión de pagos, cese de pagos, interrupciones de pago”との表記もみられる。

3 この記事はスペインの新聞ABCに掲載されたものだが、明らかにアルゼンチン流のスペイン語で書かれているので、念のため。(例えば、最初の文章で“bajó hoy”とあるのは、スペインであれば“ha bajado hoy”を書かれたであろうことは、お気づきの通り。)

 
4 最後のパラグラフで、15億ドルとあるが、他の多くの報道では、今回の最高裁決定の対象となっていた債務の額は13.3億ドルとされている。

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