一頭600~700kgという巨大な牛の部位は多岐にわたる。スーパーで買う牛肉が牛のどの部位なのかを知ることは、日常生活上の必須の知識である。そういう訳で、牛肉の部位について日本語スペイン語対照表を作ってみた。
以下、( )内は関西の呼び方、[ ]内は英語、特色と典型的な料理。
・ネック(ネジ): Cogote (スペインではPescuezo)。[Neck]
肉は硬め。エキス分、ゼラチン質が豊富。煮込み、スープ。
・かたロース(くらした): Chingolo de Paleta。 [Chuck-Roll]
適度に脂肪がのっている。すき焼き、しゃぶしゃぶ、炒めもの。
・かた又はうで(とんび): Chingolo。
[Chuck-Tender]
よく運動をするところで、やや硬い。煮込み料理。
・リブロース(ロース頭): Bife
Ancho。 [Rib-Lion]
最も霜降りの多いところ。すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ。
・サーロイン(ヘレした): Bife Angosto。 [Sir-
Loin]
柔らかく脂肪分が少ない。ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ。
・ヒレ(ヘレ): Lomo(スペインではSolomillo)。 [Tender-Loin]
柔らかい肉。ステーキ、ロースト。
・かたばら(うでばら)、ともばら: Vacío(スペインではFalda)。
それぞれ[Brisket-Point-End]と[Brisket-Navel-End]
濃い風味。牛丼や焼き肉。
・うちもも(うちひら): Nalga de Adentro。
[Top-Side]
赤身の肉。カレー、シチュー。
・しんたま(まる): Bola de Lomo。
[Thick-Flank]
脂肪が少ない赤身。
・そともも(そとひら): Nalga de AfueraかCuadrada。
[Silver Side]
硬い肉。ひき肉、煮込み。
・らんぷ(らむ): Cuadril。
[Rump]
肉のきめが細かい赤身。ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼き肉。
・すね
・前足のものは「まえずね」(ちまき):Garrón Delantero。 [Shin]・後ろ足のものは「ともずね」(ともちまき)): Garrón。 [Shank]
エキス分、ゼラチンが豊富。煮込み、ポトフ。
(解説)
1 日本では、日本食肉格付協会が「牛部分肉取引規格」の中で13の部位に分けているが、通常、小売で表示されるのは11部位。アルゼンチンの農業・畜産・水産・食料庁(Secretaría de Agricultura, Ganadería, Pesca
y Alimentos)資料では37部位が記してあった。(双方とも舌や尾等のいわゆる副産物を除く数字。) さすが牛肉の国!
2 牛肉に限らず、食べ物の呼び方は国により、地方により随分異なる。とりあえず私の知るスペインの呼び方が異なるものは注記したが、まだあるかもしれず、おそらく他のスペイン語諸国でも随分違うのだろう。
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