2014年6月13日金曜日

今日のスペイン語(87)  牛肉の部位

 アルゼンチンといえば「牛肉」。レストランで牛肉を食するのは、私にとってアルゼンチン旅行の最大の楽しみである。何しろ人より牛が多く、一人あたりの年間牛肉消費量が60kg(日本は6.9kg)、スーパーマーケットでは100g単位でなくkg単位で肉を売っている国である。牛を知らずしてアルゼンチンを語るなかれ。

一頭600~700kgという巨大な牛の部位は多岐にわたる。スーパーで買う牛肉が牛のどの部位なのかを知ることは、日常生活上の必須の知識である。そういう訳で、牛肉の部位について日本語スペイン語対照表を作ってみた。

 

 以下、( )内は関西の呼び方、[ ]内は英語、特色と典型的な料理。

・ネック(ネジ): Cogote (スペインではPescuezo)。[Neck]
 肉は硬め。エキス分、ゼラチン質が豊富。煮込み、スープ。

・かたロース(くらした): Chingolo de Paleta [Chuck-Roll]
 適度に脂肪がのっている。すき焼き、しゃぶしゃぶ、炒めもの。

・かた又はうで(とんび): Chingolo [Chuck-Tender]
 よく運動をするところで、やや硬い。煮込み料理。

・リブロース(ロース頭) Bife Ancho [Rib-Lion]
 最も霜降りの多いところ。すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ。

・サーロイン(ヘレした): Bife Angosto [Sir- Loin]
 柔らかく脂肪分が少ない。ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ。

・ヒレ(ヘレ): Lomo(スペインではSolomillo)。 [Tender-Loin]
 柔らかい肉。ステーキ、ロースト。

・かたばら(うでばら)、ともばら: Vacío(スペインではFalda)。 それぞれ[Brisket-Point-End][Brisket-Navel-End]
 濃い風味。牛丼や焼き肉。

・うちもも(うちひら): Nalga de Adentro [Top-Side]
 赤身の肉。カレー、シチュー。

・しんたま(まる): Bola de Lomo [Thick-Flank]
 脂肪が少ない赤身。

・そともも(そとひら): Nalga de AfueraCuadrada [Silver Side]
 硬い肉。ひき肉、煮込み。

・らんぷ(らむ): Cuadril [Rump]
 肉のきめが細かい赤身。ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼き肉。

すね
・前足のものは「まえずね」(ちまき):Garrón Delantero [Shin]
・後ろ足のものは「ともずね」(ともちまき)): Garrón [Shank]
 エキス分、ゼラチンが豊富。煮込み、ポトフ。

 
(解説)
1 日本では、日本食肉格付協会が「牛部分肉取引規格」の中で13の部位に分けているが、通常、小売で表示されるのは11部位。アルゼンチンの農業・畜産・水産・食料庁(Secretaría de Agricultura, Ganadería, Pesca y Alimentos)資料では37部位が記してあった。(双方とも舌や尾等のいわゆる副産物を除く数字。) さすが牛肉の国!

2 牛肉に限らず、食べ物の呼び方は国により、地方により随分異なる。とりあえず私の知るスペインの呼び方が異なるものは注記したが、まだあるかもしれず、おそらく他のスペイン語諸国でも随分違うのだろう。

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