2014年6月16日月曜日

今日のスペイン語(90)  ニホンウナギ

 6月12日、国際的な自然保護団体IUCNが、ニホンウナギを絶滅の恐れありと認定したことに、ショックを受けた。最近、蒲焼があまりに高く、遠い存在になってしまったので心配はしていたものの、いよいよ来るものが来た、というのが私の印象。IUCNの発表や各種報道を参考にして日本語・スペイン語の解説文を作ってみた。

(日本語)
 国際自然保護連合(IUCN)は6月12日、絶滅の恐れがある野生生物のリストである、いわゆるレッドリストの改訂版を発表したが、この新リストでは、ニホンウナギが「絶滅危惧」種(絶滅の危険がとても高い)に分類された。その主な要因は、生息地の喪失、乱獲、回遊への障害、汚染及び海流の変化である。

ニホンウナギは、伝統的な日本料理における美味とされ、近年では生産減少のため、蒲焼(うなぎを焼いた料理で、日本人の好物)の値段が急騰している。今回のIUCNの決定は、うなぎ漁の国際的な制限につながるかもしれない、と危惧されている。


(スペイン語) El 12 de junio la Unión Internacional de la Conservación de la Naturaleza(UICN) actualizó la Lista de Especies Amenazadas o “La Lista Roja” en la que la anguila japonesa (Anguilla japonica) ha sido clasificada como Amenazada, lo cual significa que está en alto riesgo de extinción. Esto es debido principalmente a la pérdida de su hábitat, la sobrepesca, las barreras a la migración, la contaminación y los cambios de las corrientes oceánicas.

La anguila japonesa es considerada en la tradición culinaria de Japón. Recientemente el declive de su producción ha provocado un aumento brusco del precio de “Kabayaki”, plato de anguila asada, cocina favorita de los japoneses. Se teme que la decisión de la UICN pueda conducir a una posible resricción global de la pesca de anguila.”

解説
 IUCN国際自然保護連合の正式名称は、International Union for Conservation of Nature and Natural Resources。(このブログでは、通常使用される名称を使用。) 1948年に設立され、国家、政府機関、非政府機関で構成された国際的な自然保護機関。ジュネーブ近郊のグランに本部を置く。

2 日本では、ニホンウナギ以外の報道は殆どなかったが、IUCNは世界各地の絶滅危惧種を広く認定している。IUCNのプレスリリースによれば、現在IUCNが評価しているのは73,686種で、うち22,103種が絶滅危惧種と認定されている。

 
3 IUCNレッドリストのカテゴリーは、次の通り(カッコ内はIUCNの公式訳によるスペイン語)。各カテゴリーの定義は日本IUCNによる。ご覧の通り、スペイン語名称の方が分かりやすい。今回ニホンウナギがカテゴライズされたのは下記(3)の(ii)絶滅危惧IB類。

(1)絶滅既に絶滅したと考えられる種。 (Extinto)

(2)野生絶滅飼育・栽培下であるいは過去の分布域外に、個体(個体群)が帰化して生息している状態のみ生存している種。(Extinto en Estado Silvestre)

(3)絶滅危惧 絶滅のおそれのある状態。(Amenazado)  (i)絶滅危惧IAごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。En Peligro Crítico
(ii)絶滅危惧IB類:A類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。En Peligro
(iii)絶滅危惧II類:絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続いて作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。Vulnerable

(4)準絶滅危惧:存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。Casi Amenazado

(5)軽度懸念:基準に照らし、上記のいずれにも該当しない種。分布が広いものや、個体数の多い種がこのカテゴリーに含まれる。Preocupación Menor
 
追記:焦りすぎかもしれませんが、とりあえず麻布「野田岩」の予約をしました。

 

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