2014年5月31日土曜日

今日のスペイン語(74)  電話のスペイン語 その2


 前回に引き続き、本日は、取引先から電話がかかってきた時に使える会話例。ここに記した会話のいくつかは、電話交換手の受け答えだが、会社の現地スタッフが出払っている時は、貴方が電話に出なければいけない。まして自宅にかかってきた電話は、他に誰もとってくれない。一応覚えておこう。

2 電話を受けた時

―ハポン・ビボ・テレビです。
 Televisión Japón Vivo, Dígame.
(注)会社の代表番号にかかってきた電話を受ける時の常套句。電話交換手を通じて自分の内線にかかった電話の場合は、Habla Watanabe, dígame.

―どちら様でしょうか。
 ¿De parte de quién, por favor? または、
  ¿Con quién hablo?
(注)¿Quién eres? ¿Quién es?は、避けた方がよい。

―どんなご用件でしょうか。
 ¿En qué puedo ayudarle?
(注)スペイン語では通常、ここに記したように、(直訳すれば)「私は貴方のために何のお手伝いができますか?」と言う。

―おつなぎします。少々お待ちください。
 Le paso(comunico), Un momento, por favor.

―アランダ課長はあいにく、手がふさがっております。
 El Director Aranda no está disponible en este momento.

―今、席を外しております。
 No se encuentra en su despacho en este momento.

―今、他の電話に出ております。
 Está hablando por otra línea.

―今、会議中です。
 Está reunido(a).

―今、手が離せないのですが。
 Está ocupado.(x)

―申し伝えておくことはございますか?
 ¿Desea dejar un mensaje(recado)?

―秘書におつなぎしましょうか。
 ¿Desea hablar con su secretaria?

―お待ちになりますか。
 ¿ Prefiere esperar?

―お電話いただいたことを伝えます。
 Le diré que usted ha llamado.

 ―いいえ。間違い電話です。
 No, está usted equivocado(a).

2014年5月30日金曜日

今日のスペイン語(73)  パリクラブ

 5月29日、アルゼンチンがパリクラブ諸国と債務返済の合意をした。2001年の債務危機・債務不履行宣言以来の大きな懸案で、日本がドイツに次ぐ第二の債権国であり、私自身も直接かかわったが解決に至らず残念な思いをしてきた話なので、ほっと一息。今日は、アルゼンチンでなく債権国側スペインの報道を読んでみよう。
(スペイン語) “Trece años más tarde, el Gobierno de Argentina logró, de madrugada, alcanzar un acuerdo con el Club de París para saldar su deuda de 9.700 millones de dólares. Los pagos se harán en cómodos plazos durante cinco años con una tasa de interés del 3 por ciento. El ministro de Economía, Axel Kicillof, declaró que el compromiso «respeta» los «principios que nos permitieron crecer el 6 por ciento anual en los últimos diez años».
 
 

  El Club de París difundió un comunicado donde celebra el acuerdo con «un esquema que ofrece una solución sostenible y definitiva a los atrasos de la deuda de Argentina». El primer pago está previsto para mayo de 2015 por una suma de 1.150 millones y el siguiente, al año próximo el mismo mes, cuando en la Casa Rosada ya no estará la actual presidenta Cristina Fernández de Kirchner.“
  El comunicado celebra «el progreso realizado por Argentina hacia la normalización de sus relaciones con los (a)creedores y la comunidad internacional». En Argentina la noticia se recibió como un balón de oxígeno que le despeja el camino para volver a los mercados de capitales internacionales. (以下略)(2014年5月29日付ABC

 
(日本語訳)
 (債務不履行宣言以降)13年後のある明け方、アルゼンチン政府は、パリクラブとの間で97億ドルの債務を清算する合意に至った。支払は、今後5年という余裕ある期間内に、金利3%で行われる。アレックス・キシロフ経済大臣によれば、今回の合意は、アルゼンチンの過去10年にわたる年率6%成長を可能とした種々の原則を尊重するものである。

 パリクラブが公表したコミュニケは、今回の合意は、アルゼンチンの遅延債務に持続的かつ最終的な解決をもたらす枠組みである、と歓迎している。2015年5月までに初回分として11.5億ドル、続いて翌年同月に次回の支払いが行われるが、その頃にはクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル現大統領は既に大統領府にいない。()

コミュニケでは、債権者及び国際社会との関係正常化の進展に向けてアルゼンチンが行ってきたことを歓迎している。このニュースは、アルゼンチンでは、(酸欠で息も絶え絶えの同国が)国際金融市場に復帰する道を開く「酸素ボンベ」と受け止められている。

 
(解説)
1 パリクラブ(Club de París)とは、ある国の対外公的債務(その国が外国の政府機関などの公的機関に対して抱える債務)の返済が困難となった場合、主要な債権国グループがこの債務国と協議し、債務返済繰り延べの枠組みなどを協議する会議。パリにあるフランス財務省国庫局が事務局を務めることから、パリクラブと呼ばれる。実は、パリクラブは、1956年にアルゼンチン対外債務支払い遅延した時に主要債権国がパリに集まって返済条件の変更等を協議したのが「事始め」なので、アルゼンチンは、言わばパリクラブの「生みの親」でもある。

2 アルゼンチンは、2001年の経済危機の際に、約1,000億ドル強の対外債務の不履行を宣言。債務の太宗を占める、海外の民間部門に対する債務(サムライボンド等のいわゆる民間債務)については、強引な手法と言われつつも9割以上の債務再編を進めてきたが、公的債務の方は交渉自体がなかなか実現せず問題が続いていた。私がアルゼンチンに勤務していた2006年頃、公的債務の総額は約60億ドルだったが、延滞利息のため今回97億ドルまで膨らんでしまった。
 今回の合意を契機としてアルゼンチンが国際金融市場の信頼を取り戻して、インフラ投資等を進め、日本はじめとする諸国との経済関係が再活性化することが期待される。

4 用語解説
(1)“deuda externa”:対外債務

(2)“balón de oxígeno”:文字通りには酸素ボンベ。アルゼンチンは、国際社会からの資金(酸素)が入ってこないため、言わば呼吸困難に陥っている、したがって、新たな資金流入の道を開くと期待される今回の合意を「酸素ボンベ」と表現したもの。

(3)“mercados de capitales internacionales”:国際金融市場

(4)“el compromiso «respeta» los «principios que nos permitieron crecer el 6 por ciento anual en los últimos diez años».”: 持って回った言い方なので少々説明が必要。通常、債務繰り延べ合意の前提として、債務国はIMFによる経済政策のモニタリングを受け入れなければならない。しかしアルゼンチンは債務不履行宣言以降、IMFの関与を嫌い、独自に経済政策を行うという「原則」(los principios)を貫き、その間、国際的なコモディティー価格高騰もあって、経済成長を享受してきた。今回の合意にあたっても、IMFの関与は受け入れないという「原則」を守り通した、という意味である。

2014年5月29日木曜日

今日のスペイン語(72)  個別的又は集団的自衛の固有の権利

 最近、集団的自衛権という文字が報道に出ない日はないほど、大いに話題となっている。そもそも、世界のほぼ全ての国が加盟する国際連合憲章、いわば国際社会の憲法であり世界の常識であるこのマグナ・カルタには、何と書いてあるか、ご存じだろうか。この権利を定める国連憲章第51条を題材に、国際政治に関するスペイン語表現を更に豊かにしよう。

(スペイン語原文)Ninguna disposición de esta Carta menoscabará el derecho inmanente de legítima defensa, individual o colectiva, en caso de ataque armado contra un Miembro de las Naciones Unidas, hasta tanto que el Consejo de Seguridad haya tomado las medidas necesarias para mantener la paz y la seguridad internacionales. Las medidas tomadas por los Miembros en ejercicio del derecho de legítima defensa serán comunicadas inmediatamente al Consejo de Seguridad, y no afectarán en manera alguna la autoridad y responsabilidad del Consejo conforme a la presente Carta para ejercer en cualquier momento la acción que estime necesaria con el fin de mantener o restablecer la paz y la seguridad internacionales.

 
(日本語訳)
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。」
 

(解説) 
1 国連憲章の正文は、中国語、フランス語、ロシア語、英語及びスペイン語であり、日本語は国連憲章の正文ではない。ビジネスの契約書と同じく、正文をしっかり読んで理解しておくことが必須。国連憲章第111La presente Carta, cuyos textos en chino, francés, ruso, inglés y español son igualmente auténticos, será depositada en los archivos del Gobierno de los Estados Unidos de América. Dicho Gobierno enviará copias debidamente certificadas de la misma a los Gobiernos de los demás Estados signatarios.

 
2 主な用語・表現の説明
(1)      Ninguna disposición de esta Carta menoscaba el derecho...
  これは、法律や契約でよく使われる言い方。随分込み入った表現ではある。尤も、契約書にこう書いておけば、他の規定よりもこの条項が優先されることになるので、特に大切な条項という証である。

(2) derecho inmanente 「固有の」権利
 「固有の」権利と訳されている憲章第51条の単語は、スペイン語で”derecho inmanente”、英語は “inherent right”、フランス語で “droit naturel”。いずれも、日本語では「固有」の他に、「内在的な」、「生来の(生まれつきの)」、「自然/当然の」等と訳されている単語である。権利の保持者にとって本質的であって、剥奪することのできない権利である(esencial en un ser e inseparable de élDiccionario de uso del español, María Moliner)。国であることを以て当然に持つ権利のこと。言うまでもなく、他国からこの権利の保持を認めてもらうような筋合いではない。株式を買って株主総会で議決権を行使する権利が得られるとか、CDを買って握手する権利が手に入るのとは、意味と重要性が全然違う権利である。

(3)Consejo de Seguridad(安全保障理事会)
 国際紛争が生じるたびに報道に出てくる単語。Consejo de Seguridadの次にde las Naciones Unidasを付けるのが正式な表記だが、文章が長くなるので、新聞ではConsejo de Seguridadとだけ書かれることも多い。

(4)la paz y la seguridad internacionales(国際の平和と安全)
 国際政治問題にかかわる国連の議論や決議には、ほぼ必ず現れる表現。この憲章第51条だけでも2回出てくる。クイズではないけれど、国連憲章全体を通して何回出てくるか、時間ができたら一度数えてみよう。

2014年5月27日火曜日

今日のスペイン語(71)  欧州議会選挙

 5月22~25日にかけて欧州連合(EU)加盟28ケ国で欧州議会選挙が行われた。各国の報道では、極右政党、欧州懐疑政党の躍進という見出しが躍っている。欧州政治経済の運営において、権限を増しつつある欧州議会の動きは、目を離せなくなっている。今日は選挙結果についての報道。

(スペイン語) “La jornada electoral europea ha dejado muchos titulares. Para empezar, el de los ganadores: el Partido Popular Europeo ha sido el vencedor de las elecciones al Parlamento Europeo con 214 escaños, frente a los 189 del Partido Socialista, según la última estimación de la cámara comunitaria a partir de sondeos realizados en los países miembros. (略)

Por otro lado, la actualidad electoral pasa por el preocupante avance de extrema derecha -especialmente en Francia, donde el ultraderechista Frente Nacional (FN) ha causado un verdadero terremoto en Francia, al ser la fuerza más votada- y el ascenso, finalmente, de los tan temidos partidos euroescépticos.

El PPE cosecharía el 28,50% de los votos, por delante del Partido Socialista Europeo con 189 eurodiputados y el 25,17% de los votos. Detrás quedarían la Alianza de los Demócratas y Liberales por Europa con 66, Los Verdes con 52, Conservadores y Reformistas Europeos con 46, Izquierda Unitaria Europea con 42 y Europa de la Libertad y de la Democracia con 38. Hasta 63 eurodiputados de partidos todavía sin adscripción a ningún grupo parlamentario entrarán igualmente en la Eurocámara. Los resultados aún no son definitivos y están basados en los resultados oficiales anunciados por los diferentes gobiernos. “(5月27ABChttp://www.abc.es/elecciones-europeas/20140525/abci-resultados-definitivos

 
(日本語訳) 今回の欧州議会選挙は沢山の「見出し」を残すことになった。まず勝利者達。欧州人民党が214議席を獲得して欧州議会選挙の勝利者となり、対する社会党は189議席。なおこの数字は加盟各国の調査を元にした欧州議会の最新の推計である。

 次(の見出し)は、懸念される極右の進展―特にフランスでは極右政党の国民戦線が最大の票を得た勢力となって、真の「地震」を引き起こしたー。そして最後(の見出し)は、恐れられていた欧州懐疑諸政党の躍進という選挙結果である。

 欧州人民党は、25.17%189議席)の欧州社会党を抑え、28.5%の票を得た。その後には、66議席の欧州自由民主同盟、52議席の緑の党、46議席の欧州保守改革党、42議席の欧州統一左派、38議席の欧州自由民主党と続く。63名がその所属政党が未だ議会の会派に所属していないが、同様に欧州議会に所属することとなる。この選挙結果は未だ確定ではなく、加盟各国政府の公式発表に基づくものである。

 
(解説)
1 欧州議会はスペイン語でParlamento Europeo。尤も、スペイン語の習いとして、この記事でもcámara comunitariaEurocámaraという表現も使われている。欧州議会議員はeurodiputado

2 EU加盟各国には様々な政党があるが、28ケ国の諸政党がバラバラに活動しては収拾がつかないので、欧州議会では国の垣根を超えた統一会派(grupo parlamentario)が形成されている。例えばスペイン民衆党(Partido Popular)や英国の保守党(Conservative Party)の所属する中道保守系の政党はGrupo del Partido Popular Europeoと呼ばれる会派に属する。

 

2014年5月26日月曜日

今日のスペイン語(70)  電話のスペイン語 その1

 スペイン語圏に住むと、必ず電話でスペイン語を喋ることになる。電話の会話は、身振り手振りも通用せず、困った顔をしても微笑んでもウィンクしても効果がなく、全て耳と口の勝負になる。少なくとも基本的な表現はマスターしておきたい。
ここでは、ビジネス電話シーンを想定して、「使える」電話会話例を記した。本日はまず、貴方が取引相手に電話をかける場面。

 
1 こちらから電話をかける時

―お早うございます。 ワタナベ商事のワタナベです。
  Buenos días. Habla Watanabe deWatanabe Trading.

 
―今、お話しできますか。
   ¿Podemos hablar?  ¿Tiene tiempo para hablar?

(注)電話交換手が電話を受けるのでなく、直接取引先の社長や部長などにかける場合は、一般に、いきなり話を始めるのではなく、このように相手の都合を聞くのが丁寧である。
 

―カストロさんはいらっしゃいますか?
  ¿Se encuentra el señor Castro?

 
―トゥルエバさんにつないでいただけますか?
  ¿Me puede comunicar (poner) con el señor Trueba?

 
―ブエノさんをお願いします。
  La señora Bueno, por favor.

 
―内線4567につないでいただけますか?
  ¿Me puede comunicar con la extensión 4567

 (注)内線番号の代わりに、部署名(例えばcon la Dirección General de Asia)としてもよい。

 
―123号室をお願いします。
  La habitación 123, por favor.

 
夜分に恐れ入ります。
 Perdone por llamar tarde.

(注)取引先が退社後に、自宅や出先に電話をかけるのは控えた方がよいのだが、どうしても緊急に連絡をとる必要がある場合に、この一言は忘れないように。

 
伝言をお願いできますか。
  ¿Puedo dejar un mensaje (recado)?

 
―渡邉から電話があった旨をお伝え願えますか?
  ¿Le puede decir que le ha llamado Watanabe?

 
―後でかけ直します。
  Llamo de nuevo más tarde.

 
―ご丁寧にありがとうございました。
  Gracias, muy amable, adiós.

 
(留守電(contestador automático)モードだった場合)

―お早うございます。ウズマキ社のナルトです。ご都合のよい時に123-4567までお電話をください。
  Buenos días. Habla Naruto de la compañia Uzumaki. Por favor, llámeme al número 123-4567 cuando le sea conveniente.

 
(間違い電話をしてしまった場合)

―失礼。間違えました。
  Disculpe, me he equivocado. Tengo el número equivocado.

2014年5月25日日曜日

今日のスペイン語(69)  号外 レアルマドリード優勝!

 5月24日、リスボンで行われたチャンピオンズ・リーグの決勝で、Real MadridAtlético de Madridを4対1で破って優勝した。10度目の優勝!日本時間25日(日)の朝方に目をこすりながら試合を見た方には、解説の必要はないが、凄い試合だった。93分にSergio Ramosがコーナーキックを頭で合わせてゴール、1-1に試合を戻し、延長に入ってからは、文字通り怒涛の勢いで、Baleのヘディングシュート(あれは今年のチャンピオンズで最も難しいゴールだったかもしれない)、それにMarceloCristianoPK)と続いて、4-1の完全勝利。閑話休題。

これはスペイン語の勉強のブログなので、話をスペイン語に戻すと、4月22日付けブログ記事のテーマであるレアルマドリード讃歌を、堂々と歌ってスペイン語の練習をする良い機会なので、同日付けブログとYoutubeLETRA DEL HIMNO DEL REAL MADRID CLUB DE FÚTBOL)、


で、スペイン語で歌う練習をしよう!!!