最近、認知症の人が行方不明になったり事故に遭ったという報道が目立つ。認知症は、世界各国で高齢化が進む今、日本の問題であると同時に世界全体の大きな課題となっている。スペイン語圏でも話題になることが多いので、基本的な用語は押さえておきたい。
<認知症とは>
認知症はスペイン語でdemencia。WHOのホームページで探したら、凡そ次のように定義されている。
- “La
demencia es un síndrome que implica el deterioro de la memoria, el
intelecto, el comportamiento y la capacidad para realizar actividades de
la vida diaria.”
(日本語訳)認知症とは、記憶、理解力、振る舞い及び日常生活を営むための活動能力の悪化を生ずる症候群である。
- “Aunque
afecta principalmente a las personas mayores, la demencia no constituye
una consecuencia normal del envejecimiento.”
(日本語)認知症は主として高齢者にみられるが、通常の老化によるものではない。
- En el
mundo entero hay unos 35,6 millones de personas que padecen demencia,
y cada año se registran 7,7 millones de nuevos casos.
(日本語)世界には約3,560万人の認知症患者がおり、毎年770万人の新たな症例が発生している。
- La enfermedad de Alzheimer, que es la causa de demencia más común,
acapara entre un 60% y un 70% de los casos.
(日本語)アルツハイマーは最もありがちな認知症の原因であり、症例の60~70%を占める。
<認知症の兆候と症状>
同じくWHOによると、認知症の兆候/症状は3段階に分けられる。
- tendencia al olvido(忘れっぽくなる)
- pérdida de la noción del tiempo(時間の感覚がなくなる)
- desubicación espacial, incluso en
lugares conocidos.(既知の所も含めて、居場所がわからない)
- empiezan a olvidar acontecimientos
recientes, así como los nombres de las personas;(最近の出来事や人の名前を忘れ始める)
- se encuentran desubicadas en su
propio hogar(自宅内で自分の居場所がわからない)
- tienen cada vez más dificultades
para comunicarse(意思疎通が難しくなっていく)
- empiezan a necesitar ayuda con el
aseo y cuidado personal(洗面所回りや身の回りの世話が必要になる)
- sufren cambios de comportamiento,
por ejemplo, dan vueltas por la casa o repiten las mismas preguntas(家の中を歩き回ったり、同じ質問を繰り返す等、振る舞いが変化する)
- una creciente desubicación en el
tiempo y en el espacio(より頻繁に時間と居場所がわからなくなる)
- dificultades para reconocer a
familiares y amigos(家族や友人を認識し辛くなる)
- una necesidad cada vez mayor de
ayuda para el cuidado personal(身の回りについてより多くの世話が必要になる)
- dificultades para caminar(歩行が困難になる)
- alteraciones
del comportamiento que pueden exacerbarse y desembocar en agresiones(振る舞いの変化振りが亢進し、攻撃的になることも)
(解説)
1 冒頭に書いたとおり、認知症は世界的規模の問題なので、世界のどこに行っても話題になるだろう。上記に記した語彙があれば、スペイン語で相当のレベルの会話ができる。
2 なお、日本の事情について、厚生労働省のホームページは次の通り記しているので、ご参考まで。
「65歳以上70歳未満の有病率は1.5%、85歳では27%に達します。日本における65歳以上の認知症患者はすでに240万を超えているという推計もあります。さらに団塊世代が65歳以上になる2015年には250万人、2020年には300万人を超すと推定されています。高齢社会の日本では認知症が今後ますます重要な問題になることは明らかです。」
3 認知症の兆しがあったら、ともかく早く専門医に相談するのが良いと言われている。兆しの有無を確かめるため、例えば、このブログのスペイン語文を暗記して、翌日に、全て諳んじることが出来るか試してみるのは如何だろうか。私自身、同じことを繰り返しブログに載せないよう、時々過去の投稿を見直している。
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