2014年5月17日土曜日

今日のスペイン語(59)  シャドーバンキング

  シャドーバンキングという経済用語事が報道によく現れるようになった。いわゆるノンバンクによる金融仲介活動もあるのだなあ、という程度の理解をしていたが、融資残高がとてつもない規模で、しかも実態が不透明らしい。スペインのメディアでもアラーミングに取り上げられていたので、日本語訳をしてみた。

(スペイン語オリジナル(抄))
"La existencia de un enorme sistema financiero paralelo en China, que opera al margen de la regulación oficial, es un secreto a voces. Y si bien no es una práctica exclusiva del gigante asiático, el difícil contexto que puede enfrentar la economía china en un momento de desaceleración provoca incertidumbre ante la posibilidad de que la llamada «banca en la sombra» genere un colapso financiero al más puro estilo Lehman Brothers y sin controles que la vigilen.

    Pero, ¿qué es la banca en la sombra? A pesar de que el término -acuñado por el economista Paul McCulley- suena como a una opaca actividad al borde de lo ilegal, define las actividades financieras no tradicionales que son menos reguladas y, por tanto, que conllevan más riesgo que las de la banca tradicional. Capital riesgo, fondos buitre o «hedge funds» son algunos de los instrumentos que forman parte de estas operaciones que suponen una alternativa a la financiación bancaria. Pero, en el caso de la banca china también es un sistema con cero transparencia en el que el país puede aparcar fuera de sus balances un riesgo sistémico gigantesco, dicen los expertos.

Al igual que ocurre con la economía sumergida, los datos reales sobre este sistema en la sombra no se conocen, pero las estimaciones sobre su tamaño son alarmantes. Según datos del Banco Central de China, esta actividad mueve 2,8 billones de euros, casi la mitad de su Producto Interior Bruto, algo más de 6,7 billones en 2013. Sin embargo, el profesor Oliver Rui, experto en finanzas del país, estima que esta cifra podría alcanzar los 4,8 billones. “(2014年3月13日付ABC紙)

(日本語訳)

中国で、公的な規制を逃れた別途の巨大な金融システムが存在することは、公然の秘密である。これは何も中国だけの慣行ではないが、経済の減速という困難な現状下、いわゆるシャドーバンク(影の銀行)が、リーマン・ブラザースのような金融崩壊を、しかも監視当局による統制なきまま、もたらすかもしれないという不安が醸成されている。

  さて、シャドーバンクとは何か。これはエコノミストのPaul McCulleyによる造語である。シャドーバンクというと、非合法で不透明な活動といった響きがあるが、その定義は、非伝統的で、規制がより少なく、したがって伝統的な銀行業よりもリスクが高い金融活動である。ヴェンチャー・キャピタルハゲタカファンドヘッジファンドが、銀行による金融の代替となる(シャドーバンキング)活動を行っている。尤も、(注:シャドーバンキング以前の問題として、そもそも)中国の銀行業自体が透明性ゼロのシステムなので、国が巨大な制度的リスクをバランスシートに載せず(問題を)先送りすることが出来る、というのが専門家の言である。

  アングラ経済と同様、シャドーバンキングに関する本当の数値はわからないが、推定されるその規模は驚きに値する。中国中央銀行のデータは、シャドーバンキングにより2.8兆ユーロが動いているとしているが、これは2013年のGDP6.7兆ユーロの半分に近い数字である。しかしながら、中国の財政専門家であるOliver Rui教授は、実際にはこれが4.8兆ユーロに上ると推定している。

 
(解説)
1 この記事のタイトルは”La Sombra de la Banca China es alargada”(長引く、中国銀行業の影)。 シャドーバンキングがEl sistema bancario en la sombra(文字通り、影の銀行システムのこと)なので、それに引っかけた捻りの利いたタイトルだなあと感心した。

 
2 シャドーバンキングの主体である、ヴェンチャー・キャピタル(Capital riesgo)、ハゲタカファンド(fondos buitre)、ヘッジファンド(fondo de cobertura但しこの記事では英語がそのままhedge fundとして使われている。のスペイン語も覚えておこう。日常会話でもしょっちゅう使われる。

 
3 スペイン語圏でのアジア関係報道は、一般的に非常に少ないが、これら諸国のビジネスマンがアジアについて持つイメージの殆どは、この数少ない報道に基づいている。我々がスペイン語圏に勤務している間、アジア情勢について質問されることが多いが、前提となる彼らのアジア関連知識のソースである、このような報道は、出来れば我々も読んでおきたい。

 

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